次の物語へ


 正直に言えば想定以上だった。ドラゴンの強さも女子高生の才能も。

 光かがやく剣に切り裂かれたドラゴンはほのかに赤く光る細かい粒子へと変化していく。その変化を呆然と見つめる女子高生。

「……キレイ」

 そう呟いたのを聞いて、それこそ想定以上なのかもしれないと思う。力に目覚めてしまった以上戦いから逃れることはできない。それを思うと才能はあるに越したことはない。先輩として道は示してあげなくては……。

「ようこそ、物語の世界へ」

 伸ばした右手を女子高生はポカンと見つめた後、恐る恐る手を握ってくれたのだ。

 彼女はこれから大変な日々を送ることになるのだが、それはまた別の話だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

黄昏時の公園~ドラゴンに出会ってから退治するまで~ 霜月かつろう @shimotuki_katuro

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ