第20章〜信頼〜

第20章〜信頼〜


「いらっしゃいませぇ!!」


あれから4日が経った。


俺は昨日から依頼以外にバイトを始めた。


現状依頼は全く来ないためほとんどの時間をバイトに費やすことができる。


酒屋、魔王軍に壊された建物の工事、荷物運び等たくさんのバイトを始めた。


今この時間は酒屋の接客のバイトを行なっている。


当然この数のバイトを一度に掛け持ちするのは過酷だ。


辛くないと言えば嘘になる。


でも俺は依頼人のためにも働き続けた。


俺は酒を客席に持っていった。


「お待たせしました。どうぞ。」


「おっ、サンキューな。」


酒を差し出した。


客人がそれを受け取る。


俺は酒屋のカウンターに戻ろうとしたその時


「!?」


身体がふらついてしまった。


どうやら俺は疲れているみたいだった。


・・・


バイトを終えて俺は宿に戻ってきた。


もう深夜だ。


俺は部屋に戻る前にポストを確認した。


すると、一枚の手紙が入っていた。


「依頼か?」


そう思い手紙をみると、宛先にブゥと書かれていた。


内容は飯の誘いだった。


「時間は明日か。」


明日のバイトは少ないから時間も空いている。


俺はそう思い部屋に戻った。


・・・


翌日。荷物運びのバイトを終え、俺は待ち合わせ場所へ向かった。


待ち合わせ場所へ着き数分待つと、ブゥがやってきた。


「おまたせ。」


「あぁ。」


俺たちはレストランへ入った。


そしてテーブルに座ってメニューを選んでいた。


「KID。お前は何頼む?」


「・・・」


「おい、大丈夫か?」


「・・・・はっ。」


俺は数秒意識を失っていた。


相当疲れているようだ。


ブゥがそんな俺を気にして話を続けた。


「KID。最近お前大丈夫か?元気も無くてやつれてるし、何かあったのか?」


「あぁ。今依頼のために寝る間を惜しんでバイトに明け暮れているんだ。」


俺は受け答えをした。


「なぁ。詳しく聞かせてくれないか?」


心配しているブゥは俺に聞いてきた。俺はブゥに話をした。


・・・・・・


「お前それ、騙されて利用されているだけだぞ。」


「マトモに教育を受けていないような知恵遅れは向こうの世界にもたくさんいた。でもそんな人たちにも考えがあった。俺はそんな人たちの話をたくさん聞いてきた。信じたいんだ彼女達を・・・」


「そうか・・・」


・・・・


食事を終えた俺たちは店を出た。


「じゃあ。何かあったら連絡してきてくれ。」


「ありがとうブゥ。」


俺はブゥと別れバイト先へ向かった。


      第20章〜END〜











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