第12章〜突破〜
第12章〜突破〜
「みえたぞ!」
ついに俺は能力の発動条件を把握することができた。
この部屋の天井に欠けた魔法陣がはっきりと見えた。以前はなかったはずの魔法陣がそこにあった。
「「はあ!」」
「「「「ぎゃああああ」」」」
2人の掛け声とゴブリンの断末魔が聞こえる。
全滅したかのようにみえたが複数ある魔法陣の中からまた新たにゴブリンが現れた。そんな中ニイがこっちを向いて口を開いた。
「みえたのか!?どこに期限の魔法陣があった!?」
「ニイさんたちからみて左側の天井です!」
俺は返答をし魔法陣を壊すため弓矢をかまえた。
「魔法陣は魔法をぶつけないと壊れない!KID。お前は魔法陣があるところに弓矢を放ってくれ。そこが目印になるからな。」
それを聞き俺は弓矢を構えた。
狙いを定めて天井にある魔法陣に向かって弓矢を放った。
俺は意識を集中させた。
すぅー
弓矢の軌道がみえる。俺は弓矢の軌道を見透していた。その軌道に合わせて俺は弓矢を放った。矢は見透した軌道の通りに進んでいき天井にある起源の魔法陣の真ん中に突き刺さった。俺は喜ぶことより先にニイとオトに声をかけた。
「目印つけました!あとはお願いします!」
その声を聞いた2人は即座に動き始めた。
ニイが一歩前に下がり魔法陣を壊すため詠唱をはじめた。だがそんなニイにあらたに複数体現れたゴブリンが襲いかかった。
カーン
近くにいたオトが斧を一振りしゴブリンを振り払った。
「Zerstörung des magischen Kreises(魔法陣破壊)」
詠唱と共にニイのまわりを魔法陣が囲い紫の光弾のようなものが現れた。
ニイは表情を変え俺が突き刺した矢に狙いを定めた。そしてその光弾を矢に目掛けて飛ばした。
バーン
光弾は命中。魔法陣が浮かび上がっていき俺にしかみえなかったが消滅していくところを目視した。
起源の魔法陣の消滅と共にあたりの魔法陣は消え、複数体のゴブリンも消滅した。
「よし。先を急ぐぞ。KIDの能力さえあれば罠を回避して進むことができる。」
俺たちは次の階へ向かった。
〜ダンジョンB2〜
俺たちは次の階へ辿り着いた。
「頼んだ。」
ブゥの声と共に俺は意識を一点に集中した。先ほどとは違い明確な目的を見つけ、焦りを無くしている。
ドキンっ
今回は使い方を覚えたためかあっさり発動した。
先程までは見えなかった。魔法陣がみえる。しかも3つも。地面に1つ、壁に1つ、天井に一つ。そして俺はさっそく声をかけた。
「みえました。3つ魔法陣があります。」
そしてニイが口を開いた。
「よし。さっきのように魔法陣がある場所にマーキングをしてくれ。」
俺はそれを聞き先程と同じように弓矢を構えた。
軌道が見える。俺は魔法陣に標準を合わせ矢を放った。矢はみえている軌道の通りに進み真っ直ぐに魔法陣へ突き刺さった。
・・・・・・・
残り二つの魔法陣にもマーキングを終え、俺は声をかけた。
「終わりました!」
よしと頷くかのようなリアクションを取ったニイは先程と同じように詠唱を始めた。
「Zerstörung des magischen Kreises(魔法陣破壊)」
すると光弾がB1の時とはちがい3つ現れた。
ニイは魔法陣に狙いを定めて一気に3つ光弾を放った。
3つの光弾はそれぞれ魔法陣に命中。消滅するかと思った次の瞬間
バーン
小さい規模だが爆発が起きた。
「これは、地雷だな。小さい規模だが足一本なくなっちまうくらいの・・・魔王軍のやつ、なかなかエグいことしてやがる。」
俺たちは驚いた。おそらく以前ここに来て囚われた冒険者は地雷の被害に遭ったのではないかと思い少し心配になってきた。
俺たちは次の階へ向かった。
〜第12章〜 END
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