第5章〜俺の使命〜
第5章〜俺の使命〜
「「「「よっしゃあああああ
あ!!!」」」」
消滅と同時に喜ぶ冒険者たち。
「ふぅ・・・・」
緊張が解けて肩の力が抜けたと同時に俺はその場から崩れ落ちた。
体が重い。やはりさっきモヤが見えた時から体が疲労していたのかもしれない。
もしかしたら、あれが俺の能力、なのか?
すると同じく披露していたブゥが駆け寄ってきた。
「大丈夫か!?」
「あぁ」
心配してきたブゥに受け答えをする
「しかし、あんた本当にすげぇな!敵の弱点がわかっちゃうなんて!本当に素人か!?」
「いや、たまたまだよ」
俺は答えた。
「すげぇよアンタ」
「何者なんだ?」
「どうして弱点がわかったんだ?」
ワーワー
たくさんの冒険者が俺の元に集まってきた。
「いや、たまたまだよ」
俺は答えた。
「そうなのか。」
「でも、すげぇよ」
冒険者たちがそう答えた。そしてブゥが口を開いた。
「とりあえず市街に戻ろう。キッド!俺が何か奢ってやるよ!」
そう言われ、俺は立ち上がった。すると、ポケットから一枚の紙切れが落ちたのに気付いた。
「?」
俺はいつのまにかポケットに入っていた紙切れを拾った。
「"○○○○○○○○○" call me(電話しろ)」
その紙切れにはこのような文字に9桁の数字が書き込まれていた。俺はすぐこの紙切れの正体に気づき、ブゥに聞いた。
「なあ、ブゥ。この街に電話あるか?」
「ああ。市街にあるぞ。」
ブゥが答えた。
「市街に着いたらそこに寄っていいか?電話したい人がいるんだ。」
「ああ。」
そんなやりとりをして、俺たちは市街に着いた。
「これが"魔術電話BOX"だ。」
ブゥに紹介されたこの“魔術電話BOX"は魔術で機能しており回線などが必要ないらしい。
さすが異世界だ。
「じゃ、先言ってるから電話が終わったら来いよ。」
「ああ。」
そう言いながらブゥは先に行った。
俺は紙切れに記された9けたの数字を入力し、電話をかけた
プルルルルルルルルルルルルルルルル
「お、繋がったかのぉ...」
「!? アンタはクソジジイ!」
電話の相手はなんとあのクソジジイだった。
「異世界に行く前にお前さんのポケットに電話番号が記された紙を入れといたんじゃ」
「いつのまに....」
ジジイがそう言うと俺は質問をした。
「なあ、この世界で俺は何をしたらいい?」
ジジイは答えた。
「お前さん。能力は使えたか?」
能力?能力ってなんのことだ.....
「例えば敵の弱点とか、見透せたりしなかったかのぉ....」
まさか.....俺は口を開いた
「はい。たまたま着いた街に魔王軍?という奴らが攻めてきてそいつらが召喚した倒されても修復する巨大スライムに襲われた時、奴らの中からモヤのようなものが見えてそこを攻撃したらやつを倒せました。」
「ほう。もうそこまで覚醒したのか。やはりお前さんを選んで正解だった。」
まさか、あれが俺の能力なのか?
「なぜ、俺をこの世界に?」
すると、祖父が話し始めた。
「この世界は魔王軍によって脅威に晒されていた。この世界に存在する冒険者たちは強い。だがそんな冒険者たちでさえ魔王軍には敵わなかった。魔王軍は強大な力を持っており、数百万人の敵軍がいる」
「闇雲に戦っても確実に勝てない。だがその劣性を覆す力があった。それは敵の急所や情報等全てを見透せる力。それがお前の身に宿ってる力じゃ。」
「!?」
俺は驚いた。俺の身にそんな力が宿っているとは思いもしなかった。ジジイは話を続けた
「だがその力を使いこなすのはとても難しい。努力や修行では到底無理だ。そこでお前が住んでる世界でその力を使いこなせるような素質のある人物をずっと探していた。そしてお前をみつけたんじゃ」
「なんで俺なんですか??」
「お前はあそこの世界で数々の闇を暴く配信者ストリーマーだったんじゃろ?お前さんはこの能力に適した人物じゃったわい。それに、もうお前はその力を使いこなせてるじゃろ。」
「もう一度言うが本当にいきなりここに連れてきてすまんのぉ.....」
「いいや大丈夫だジジイ。俺はこの力を使って成し遂げてみせるよ。待っているなら救うぜ世界!」
「お前さんはこの能力で司令塔になり冒険者を勝利に導け。頼んだぞ。」
「ああ」
プツッ、プープー
電話が途切れた。この世界で司令塔になり冒険者を勝利に導く、か.......
俺は自分の与えられた使命を認識し、ブゥの待つ店へと向かった。
〜第5章〜 END
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