第2話 忌み子の少女

「ねぇねぇ!おかあさん!明日はみんなでいっしょにピクニックにいこうね!」

「ええ。行きましょうか。せっかくお父さんも久しぶりに帰ってくるしね。」

 途端に爆発音がおきた。家の方面だ。お母さんの顔が途端に真っ青になった。

「逃げなさい。」

「えっ、明日はピクニックにいくって‥‥」

「いいから逃げなさい‼︎」

 おかあさんは固有魔法を使い、私を未来へと送った。 

 ゲートは開かれ、すべての体がその中へ入る間近、おかあさんの悲鳴が聞こえた。

「嫌ァァアァアァァアアアアァァァァァァア!」

 その瞬間、私は未来へと辿り着き、とある角を持っていて、翼が生えている少年を見つけた。瞬く間に世界は作り替えられていく。

 汚らしいハズの汚れきった、そして光がないその瞳が、顔が、世界が、綺麗に思えた。


 少年サイド 

 わからないワカラナイねぇ、誰か教えてくれよ。

 生きる理由。強く生きろって言われても俺はできない。


 母さん。


 絶対俺があいつらを苦しませるから、待ってて


「–−-ぇ、ね−ねぇ!」

 起きあがろうとした瞬間、何かが俺の額にぶつかる音がした。

「痛いよぉー!せっかく起こしてあげたのに!」

 綺麗な子だ。水色の髪と薄ピンクの目が似合っている。本当にこの世界の人なのだろうか、人間じゃないかもしれない。

見惚れていると、

「聞いてんの⁉︎まず、謝るのが先じゃない⁉︎」

「ごめんなさい。」

謝ってしまった何故か逆らえない。親かっての。

「まあいいよ。気にしなくて。ってゆーか、アンタその角なにそれ!触ってもいい?」

「あ、あぁ、これか。いいよ。」

「わぁ!アハ!面白いね!カクカクしてるのに、柔らかいとこある!」

変な感じ。触られてる振動が自分の骨まで伝わってくる。


ブロロロープロロロロ−ペラララを組み合わせたようなプロペラの音が聞こえてくる。お母さんが殺される前にした音。


「殺してやる」

「急にどうした−−–」

彼女は『の』という最後の言葉を言えなかった。


まるで思い出して、怯えたかのように。

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