第3話 刺客

 プロペラから武装したやつが来た。

 敵国の者だ。

「逃げよう!」

「えっ!ちょっ‥。」

 なんか知らないけど俺はその少女に引っ張られる。

「早く!逃げなきゃ!捕まったら、私たち、強制的に、兵にされちゃう!特に君とか!」

「は?」


「どこだ!この辺りで神の反応がしたぞ!探せ!探せ!」


 そんな声が遠くに聞こえた。


 どんなに走ったのだろう?

 小さい体ではよく走った方だろうという距離を走った。

 走った先で近くにあった廃村にへと俺たちは移動した。


「そういえば、君、名前は?」

「人に名前を尋ねるときは、自分から言うもんだろ」


「私はソフィ。さ、次は君の名前を‥‥っ、どうしたの?なんで‥泣いてるの?わ、私!何か悪いことした!?ご、ごめんなさい!」

 ソフィ、君の名前は俺のお母さんと同じ名前じゃないか。もう死んだ俺のお母さん。

「いや、なんでもない。俺はテオ。」

「いい名前じゃん。さ、これからどうしよう?その角、引っ込むの?」

 世界を作り変えてしまった時みたいに、イメージをする。


「ダメだ。」

「そっかー!」

「なんで君はそんなに明るくて僕を守ってくれるの?」

「うーん、分かんない!けど、逃げるのってワクワクするよね⁉︎楽しい!」

「どうかしてるよ。」




 こうやって嫌味口を叩けている今が生きてるって感じがして、楽しい。


その時、何かが迫ってくるのを俺たちは知る由も無かった。



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