第2話 「うん、知ってた」
ロリ、ロリ、ロリ。
僕が求めている幼女は何なのだろうか。
そんなことを考えて、考えて、考えすぎた結果。スピーチ本番の日を迎えたのである。
そして、今は3限目の社会の時間。しかし、次の時間が本番のスピーチの時間だ。こうしちゃいられない。腹に排泄物と言う排泄物が溜まってもいないのに「トイレに、、行ってきます…」と腹を押さえる演技をしてから約三十分…
様式のトイレで考える人のポーズをとって『ロリについて』という俺からすれば何日あっても答えが出ない哲学的要素がふんだんに盛りつくされているこのテーマをまとめなければいけない最終段階なのである。
みんなにロリの素晴らしさ、純粋さ、可愛さを60秒くらいの簡単な自己紹介にまとめることなんて……できるわけねぇだろうが!!!!!
どれもこれも伝えたい内容ばかり過ぎて三十秒で終わる気配が微塵もしないのである。なぜなら、ロリの話題だけで3日は語れるだけの熱量は備えているからな。
まあ、これしき一般教養よ。
ほら、神を崇めるのに理由がいるかい?答えはNOだ。答えるまでもない。
それと同じように幼女たちにも清楚で純真無垢なその笑顔、性格、体型とどれをとっても神に負けないほどの強力な武器を持っているのだ。崇めないわけがないんだなぁこれが…
可愛いが正義。はっきりわかったね?
といった風に永遠と自分の妄想を、理論をもう一人の自分にぶつけているというシュールな光景を第三者から見られたら絶対に変な人だと思われるようなことをしているこの状況は言わないお約束だ。
色々考えてたどり着いた俺の理想郷……
ロリという可愛い女の子を知ってもらえればそれでいいというシンプルな理論に結果的には頭の中で整理ができた。
今、重要なところは具体的なことじゃない。インパクトだ。ビックバンが起きるくらいの勢いと熱量を持った人間とは言いづらい生き物に変貌を遂げることだ。
そうだよ、そうだよ。ふっふっふっと笑いが止まらない。
今が一番楽しい。楽しいよ。最高だ。
トイレの中で理想論を語っている変質者がここにはいた。
そして、教室に戻ったころにはスピーチが始まっていた。
そのため、「便がひどくって」と適当な理由付けをして席に着いた。
すると、自分の机の上に一つの紙切れが置いたあった。
まあ、置いたであろう人物は予想するまでもないけれど…
頭をポリポリかきながら紙切れの裏を見ると
『黒歴史決定だなw面白いの頼むわ』とだけ記されていた。
後で、あいつの頭を殴ってやろうと決心した。
そして、他人のスピーチなんて一切聞かずに睡眠という重要な勉強をしていたのだが、前の席の陽キャ女子に頭を叩かれた。
「次、あんたの番だから」
寝起きのせいか言葉の意味をあまり理解できていなかったため「ほへっ?」と馬鹿みたいな声を出してしまった。
そして、今の状況をなんとなく悟った。
「あー、はい。ふーん、なるほ、ど」
最初にスピーチをしたいという気迫が今はもうあまりないことに気づいた。
ロリをどうやってみんなに伝わるように、みんなが受け入れてくれるように話せばいいのか答えが出ていない。
教壇に立って、30人あまりのクラスメートが俺を見つめる。
特に先生なんかは何かやらかさないかと心配しているような目だったので、内心ちょっと傷ついた。
深呼吸をする。
スー、ハーと短く呼吸を整えて、今自分ができることをぶちまける。
そう、決意した。
「お前ら!ロリ(幼女)って好きか?」
今思えば最悪な出だしだったと自分でも感じた。
タイトル シダ @ishida720
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。タイトルの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます