第2章

9

亮太と光が正式にコンビを組んでから2週間が経った。

その頃、松ヶ崎町では不思議な現象が立て続けに発生していた。


ある時には、とある女性が行方不明となったことが確認された。

彼女は帰ってきた夫に頼まれ、午後9時に歩いて5分の距離にあるコンビニへ買い物に向かったものの帰らず、不審に思った夫が警察に通報した。


またある時には、町の中心部にあるビル群の一つだけが氷で覆われた。

この地域では雪が降ることすら珍しいにもかかわらず、たった一晩で凍りついていた。


またある時には、町の外れにある一軒家が潰れていた。

たまたま家の主は出張に向かっており、死者は出なかった。

すぐに調査が行われたが、地盤に問題はなく、自然的な原因によるものではないと発表された。


警察は、これらの現象を解決しようと事件性ありと判断し捜査を開始したものの、目撃者は1人も見つからず、現場に手がかりもなく、またこれらの現象に共通項も見いだせず早くも行き詰まり、コールドケース《未解決事件》として処理された。


しかし、実際には共通項が存在した。


そして。

それは、この松ヶ崎町に降りかかる最大の事件の幕開けでもあった。

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