第8話 風呂

風呂はいい。

露天風呂とか、温泉とか、そういうのではなくて

家にある個室の風呂。


僕は温泉や戦闘があまり得意ではない。

人の目が気になるからだ。そして自分もどこを見ればいいのかわからない。

裸の付き合いっていうけれど、そこまで晒け出して付き合いたいとも思わない。


ほどほどの距離感で、ほどほどにいたい。誰かの特別になれるとも思えない。

今日の僕はちょっぴり疲れている。

いや、いつも耳鳴りに苛まれているから疲れてはいるのだが。


さて本題は風呂だ。

個室の風呂はいい。声も響くし、僕はよく風呂で歌う。

近所迷惑になるから、あまりうるさくはできないけれど。


響く水音も、耳鳴りの音をかき消してくれる。

気持ちがよくて、うっかり寝そうになるが

寝るのはやっぱり布団がいい。


今日も寒い。暖かいお風呂を入れよう。

自分をいたわるためにも。


ほどほどに、ほどほどに、無理のない程度に。

続けることにきっと意味があるのだから。


だから今日はここまで

明日はもう少しうまくいけたらいいのだが。

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