第4話 不死
今日は不死の日らしい。
僕は死ぬのは嫌だ。でも不死にもなりたくない。
死は最後の逃げ場だ。
選択肢がなくなってしまった最後の手。
それが自死だと僕は思う。
僕は自殺という言葉に疑問を覚えている。
殺したのは果たして本当に自分なのか。
よく、仕事のストレスなどから追い詰められて
自死してしまった人に対して
「自殺をする前に仕事を辞めればいいのに」という言葉を聞く。
健全で正常な判断が出来るのであれば、確かにその通りなのだが、残念ながら大抵はうつ状態に陥っており正常な判断ができない。
ここから飛び降りればもう仕事には行かなくていい。
と言ったように、死ぬか、堪えて仕事をするかの2択しかないのだ。
うつ状態に陥るほど選択肢が狭まっていく。
やめたい、つらい、くるしいといった感情が膨れ上がり
そしていつの日か、生きることより仕事に行きたくないが勝ったとき、その人は自死を選ぶのだと僕は思っている。
幸か不幸か、僕は人より死際の苦痛や恐怖が勝って自死には至らなかったけれど、あの時は危なかったな……というくらいにはやらかしかけている。
僕は今会社を辞めて、精神科に通いながら社会復帰のリハビリ最中だ。
働いて、誰かの役に立ちたいと願いながらも
仕事の量でまた押しつぶされないか心配している。
毎日13時間働いてて、残業代も何も出ない事におかしいと気づいたのが辞めてからという鈍感さ。
趣味に比較的近くて、人間関係も良好な場所だったが、僕はやりがいだけでは生きていけなかった。
やっぱり報酬って大事だと思う。
結局不死あんまり関係なかったな。
どうか僕みたいな人が減りますように。
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