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第1話 始まってもいない物語


 いつものように俺は玄関のドア開け、外の空気を吸う。


このだるさ、めんどくさい気持ちが湧きながらもアパートの年期の入った階段を下り、ほうきを使って掃除している大家さんに挨拶をした。


「おはようございます!」


「あら、勇太郎くん おはよう」


大家さんは髪は長く、背は平均女性で20歳なかばの人だ。


何も、おばあさんが亡くなってアパートを継いだらしい。


「勇太郎くん、寝癖がついてるよ。」


くすんと、笑いながら手を勇太郎の頭に添え、寝癖を直してくれている。


「すみません、最近ちゃんと起きれなくて、ギリギリで学校に行ってるもんで…」


「勇太郎くんは、高校1年生で一人暮らししているだけですごいよ。」


「ちゃんと食べてるの?」


「いえ、ご飯作れなくって 弁当とか、出前しか食べてないです。」


大家さんは、俺がちゃんと生活を送っていないことを知ったことで顔を鬼にしていた。


俺はすぐさま気づき、やばそうだったので逃げる事にした。

 

「では、遅刻しますので…」


「ちょっと、もーう…いってらっしゃい!」


大家さんは大きな声で出迎えてくれた。


俺が高校一年生でまだ元気に過ごしているのは大家さんが面倒見のいい人だからだろう。


勇太郎は走りながらもちょっと嬉しかった。


アパートから歩いて、15分すれば駅へと着く


それから電車を使って学校へと行ってる。


なぜ、一人暮らしをしているのに、近いところに住まなかったのかって、友達に住んでる場所を知らせないために近くないところに住んでいる。


もし、俺がアパートから出たところを通学している人に見つかったら嫌だしな。


急いで走って駅に着いたが電車が遅延していたせいで遅れていたようだ。


混むのは嫌だが、間に合ってよかった。


キツキツに入り発車して数分たったことだ


早く電車から出たいと思っていると、コソコソと助けてと呼んでいるような声が隣から聞こえてきた。


声がした隣を見てみると焦っている顔をした女性がいた。


俺が見ただけで可愛い学生だった。


制服が違うと思いながらもなぜ焦っているのかちょくちょく彼女の方を見ていると、後ろにいる痴漢をしそうなハゲている男がいた。


多分想像している事と、おんなじなんだと思うんだが、

混んでて痴漢しているか見えなかった。


俺には、声をかける勇気はない。

間違ったら気まずくなる空気が嫌いだからだ。


そんな時、電車がかなり揺れた。


多くの人の体がずれたことによって何をしているかすぐにわかった。


ハゲ頭の手は彼女のスカートの中に入っていたのだ。


「おい、お前!」


俺はハゲ頭のスカートの中に入っている、手を掴んだ。


「痴漢してただろ!」


ハゲ頭は焦っていたが、まだ反抗するらしい。


「何を言っている。やってない」


周りに聞いてみようとしたが、周りの人は、何だ?と言う表情をしていた。


周りの人たちは混んでいてそれどころではなく、痴漢をしているところは見てはいなかった。


少し焦ったが、すぐ解決する策が普通にあった。


普通に彼女に聞けばいいじゃん


俺は、怖がらないように冷静に問いかけた。


「痴漢されたの?」


「私は……」


彼女は、怖くて固まってしまっている。


「大丈夫、俺がいる。何があっても俺が守るから言っていいんだぞ」


彼女は、俺の言葉で冷静になったのか彼女はこう言った。

「私は…… されました。  痴漢……」


ハゲ頭は焦っていた。そんな時、電車が駅に到着した。


 混んでいる電車から咄嗟に降り逃げようとしていた。


 駅ホールに出たハゲ頭はそのまま逃走していた。


 俺は、走ったが混んでいる時に逃げられては、俺も追いつけなかった。

 

ちくしょうと思ってたが、ハゲ頭が走ってる前には俺の親友がいた。


「佐武!」

 

「痴漢男を止めてくれ!」


 俺の親友、佐武 裕は金髪で周りからしたらイケメンの男である。

 

俺の声に気づいた佐武は走ってる男に足をかけ、転ばせた。


 「ありがとう、佐武」


 「ふん、パンケーキ奢りな」


 一応言うが、佐武は男だ……


 これでも、インスタ1000人ぐらいいる男らしい。


 この辺のデザートをインスタにあげている女性みたいな人だ。

 

すぐさま、警備員が走って来た


「どうしたんですか?」


俺は全てを話し彼女と一緒に警察の事情検査を1時間かけ終わった。

 

「ありがとうございました。」

 

「あの、これどうぞ」

 

渡されたのは、名刺だった。

 

高校生が名刺とは、どう言うことかわからなかったが、なんなのか聞く前に彼女はいなくなっていた。




「は……」

 

「今日は不幸だったな……」


「彼、カッコよかった。」


ちょっとだけ好きになった私の名前は、藤宮佳奈

 今さっき、痴漢されていたところを助けてもらいました。


学校へと向かっている藤宮は、すぐに気づいてしまった。



 「あ、そういえば...」


 「あの人の名前聞き忘れちゃった。」

 

藤宮は頭を抱えて絶叫した。

 

周囲にはどうしたんだろう?と言う表情をされ

ドン引きされていた。

 

すぐに気づいた藤宮は、顔を赤くしながらも

 学校へと急いだ。

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