第7話

「神山さん、春ちゃんは目を覚まされましたか?話し声が聞こえてきたからどうかと。」


「はい。さきほど目を覚ましてくれました。本当によかった、でも、なぜ家に帰れないの?」春の母は不満げに言った。


けんが慌てて話し出した。

「あ、叔父さん、春ちゃんのお母さんに、きちんと伝えないと、僕では難しいとこもあるからお願いできますか。」


「けん、分かったよ。

神山さん、きっと覚えていないかもしれませんが、今から説明することは、とても大切な事です。また、神山さんにも知り得る限りの情報を教えていただきたい。」


叔父さんは、春が七五三のでこの神社にお参りした時のことを話しはじめた。


その日は、晴れて雲一つない日で、この神社も村の七五三のお参りで、とても華やいでいた。予約をされていた中に春ちゃんがいたんだよ。春ちゃんは、可愛らしくて着物がよく似合っていたね。


春ちゃんの祈祷が始まった時に、神社のシイの木に雷が落ちたんだ。今までの晴天が嘘のように雷雨になった。僕やけん、春ちゃんと春ちゃんのお父さんやお母さんがいた。そこに大きな龍が入ってきたんだ。多分そこにいた人達みんなにも龍が見えていたんだ。しばらくして龍は、春ちゃん達の周りをゆっくり回りながら春ちゃんを天に連れて行くと言ったんだ。


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