第33話

そうして3人で楽しく(?)パズル作成会をしているとまた勘兵衛がゲームをするべく居間の様子を見に来た!!

「チッ・・・まだ帰ってねえのかよ・・・」

「聞こえてるぞォ」

「!?」

すっと立ち上がってずんずんとこちらにくるみさきちゃん!!突然の事に硬直する勘兵衛!!

「久しぶりじゃねェか勘兵衛・・・いつからそんな生意気な口を利くようになったんかねェ」

「ひっ・・・ひひ久しぶりってな、ななんだよ!!そそそそ、それにな、名前でよ、よよよ、呼ぶなって」

「また”ワカラせて”やらねえと分からねェんだなァ・・・。」

「・・・!!!」

そのとき勘兵衛は思い出した・・・!遠い昔の、みさきちゃんに”ワカラされて”いたあの日々を・・・。その時はみさきちゃんも勘兵衛も幼稚園生ぐらいの年齢で、みさきちゃん自身は覚えていないようであったが、しかし勘兵衛は被害者側だったので覚えていた・・・いや、記憶に蓋をして忘れようとしていた、あの屈辱の日々を・・・。

日々虐げられていた勘兵衛であったのだが、天網恢恢疎にして漏らさず、あくる日とうとうお父さんやお母さんにみさきちゃんはこっぴどく叱られて、その後は嘘のように人格がガラリと変わって今のおどおどしているみさきちゃんになったのであったのであった、はずだったのだが・・・。

「ひ、ひ、ひひひいいいいあああ!!!」

恐れ慄き自分の部屋に逃げ帰って行く勘兵衛!見逃してやるみさきちゃん!!逃げ帰ったドアのバタン、という音を聞くと、のしのしとリビングへ引き返していった!!

「済まないねェうちの弟がよォさっきも・・・。」

「すごい凄みでしたわね・・・。」

そんなこんなで難しい四角に切れを作り上げ解きなおし唯一解を確認し完成としたみさきちゃん!!

「できたぜェ!きひ・・・ふはーーっははははは!!」

「おめでとうございますわ~~!!」

シャーペンと消しゴムを机に置くみさきちゃん!!するとスッとまた雰囲気が変わる・・・。

「・・・。・・・あ・・・あれ?」

「みさきちゃん!?」

「わ、わわわ、私、あれ?あ、え、ええと、あ、もう2時間も経ってる!?」

「パズルを作っている所を見せて貰いましたわ~~!!」

「凄かったわね・・・。」

「え、え、えええ!?あ、ああ、よ、よかった・・・。わ、わたし問題を作っている時のことは、あ、あまり覚えていなくて・・・。へ、変なこと、してなかった・・・?」

「おーっほっほっほ!!まあその、パズルを作るすごいところを見せていただきましたわよ!!」

「シャ、シャーペンの動きが凄かったわよ!」

嘘は言っていない!

「そ、そうなの・・・?う、うーん、い、良いのかな?ええと・・・じゃ、じゃあ問題を解きなおそうかな・・・。」

「あら、さっき解きなおしていましたわよ」

「あ、で、でもお、覚えてなくて・・・。な、なな難易度付けし、しないと・・・。」

スムーズに解きなおしているみさきちゃん!!

(忘れているとは言っていまして、本人は本当に忘れてはいるのでしょうけど・・・。当たり前じゃない所もすぐ埋められていますわね、どこかに作っている時の記憶がどこかに残っているのかしら)

「・・・。・・・。・・・すぐ解けた・・・。え、ええと・・・★2ぐらいかな」

(なるほど、いつもこうして難易度を決めていますのね・・・。)

「わたくしは★4ぐらいかなと思いますわね」

「!!!じゃ、じゃあ、ええと・・・ほ、★4に、す、する・・・ありがと!!」

さて、この後は、パ、パズルを作っているときのわ、わたしって・・・。ほ、本当に大丈夫だ、ったの?親友って言ってくれてて嬉しかったわね、え、えええええ!?わ、わたし・・・みたいな話などをしてすっかり夕方に!

今日は色々と楽しかったですわ~~!!私も楽しかったわ、とお別れをしてパズルお嬢様はお迎えの車で、黒川さんは徒歩+電車にて帰宅していったのであった・・・。

すっかり静かになってしまって寂しさを感じる家の中!!テーブルの上を片づけて使った食器を洗うみさきちゃん!!あ!!勘兵衛!!

「あ、ああ、あの、お、お姉さま」

「え、ええ、えと、わたし!??」

「な、生意気なことい、言って、すいませんでした・・・ゆ、許して」

「ど、どどどうしたの!?」


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