第32話

むすりとしている勘兵衛はこちらを一瞥した!!会釈するパズルお嬢様と黒川さん!!無視をして立ち去ろうとする勘兵衛くん!!

「あ、ちょっと・・・かん・・・」

「!!おめー名前で呼ぶなっつったろ!!」

「うう・・・で、でも、挨拶してくれたのに・・・」

「うるせーーな!!話しかけんな!!」

チッと舌打ちして部屋へ帰って行く勘兵衛くん。

「ご、ご、ごめんね・・・!お、弟が、その・・・。」

「おーっほっほっほ!!全然気にしていませんわ~~!!」

「う、う、うん・・・。」

「・・・。」

ちょっとおこになっている黒川さん!!

「それにしてもあんなにオラオラしている子も初めて見たかもしれませんわね・・・。みさきさんも大変ですのね・・・。」

「・・・!!う、うん・・・最近、それがちょっと・・・。あ、紙を取ってくるね!!」

自分の部屋へ去りゆくみさきちゃん!!

「・・・。・・・みさきちゃんに、何てこと・・・。」

「・・・まあ、みさきさんと弟さんの微妙な関係もあると思いますの。今ここで初対面のわたくし達が何か言うのも良くないかも知れませんわ」

「・・・そうね・・・。」

さて気を取り直して大きい方眼紙やシャーペンボールペン消しゴム定規を取ってきたみさきちゃん!!こ、これはお、おうちのプリンターで印刷させて、もらってるの、と言いながらテーブルに紙を広げた!!

「作って下さるのですわね~~!!パズルは何にしますの!?」

「ど、ど、どうしようかな・・・!わたし、ここでいつも、その・・・悩んじゃって・・・」

「そうね・・・私も分かるルールだと嬉しいわね!」

「え、ええと、し、四角に切れは・・・?」

四角に切れは命令ではなくてパズル名だぞ!あ、このくだりは2回目・・・。

「何題か解いたことがあるので知っているわ」

「この前作り方を教えて下さったときのパズル種ですわね~~!!」

「う、うん・・・!じゃ、じゃあその、いつもみたく大きいと、時間がかかっちゃうから・・・中サイズ(17×17)ぐらいで・・・。枠線を書いて・・・。」

紙に定規とボールペンを使って枠線を作っていくみさきちゃん!!その紙をのぞき込む黒川さんとパズルお嬢様!!

「・・・。ああ、じ、自分の部屋で、し、しか、パズルを作ったことが、な、ないし、ましてや、ひ、人前なんて・・・。緊張し、てきた・・・。・・・あ、ああ、じゅ、準備ができた!!え、ええと、で、あ、後は・・・や、やるぞー」

「始まりますのね・・・!」

と、ここまで来て急にスッとみさきちゃんの雰囲気が変わった!!

「・・・ひひひ・・・」

「みさきさん・・・?」

さっとみさきちゃんの雰囲気が変わった!!そしてシャーペンと消しゴムを手すると目がキラリと鋭く光る!!シャカシャカ(パズル名でない)と方眼紙に丸を書き加え始めた!!瞬く間に盤面が丸で埋まっていく・・・。

「・・・!」

「こ、これは何をしていますの?」

「きひひひ!!四角に切れってのはヒントが対称形になってる問題が多いんだよお~それに倣ってヒント配置から決めるってわけだよォ!!きひ」

「な、なんかしゃべり方が変わっていますわよ!?」

「きーひひひひ!!オラオラオラアアア!!ふはははは!!」

めっちゃ邪悪な表情で数字を埋めてくみさきちゃん!!

「めっちゃ悪そうよ!?」

「ふはははははは!!そうだよオオオ?!おっとお、折角親友に家に遊びにきてもらってるのにィこんな口の利き方はいけねえなあ・・・あー・・・」

「無理はしなくて、だ、大丈夫ですわよ」

おーそうか、じゃ悪いけどなァとか言ってあまり気にせずパズルを作り進めるみさきちゃん!!ヒントを書いては消し書いては消ししている!!

「みさきちゃん、その・・・。ふ、普段と違うようだけれど」

「アァン!?・・・何でかなァパズルを作る時はオレが出てくるみたいでよォ、パズルを作る時は部屋だからよォ他のやつには気付かれねェけどなァ・・・きひひひひっひひ。・・・パズルを作り終わるとみさきちゃんに戻っちまってこの時のことは覚えてねェようだがよオオォォオオ」

「そうでしたのね・・・。ところで今の決まり方は良さそうでしたけど、どうして消しましたの?」

段々慣れてきたパズルお嬢様!!適応能力高くてかわいい!!

「はァ~~こんな安直な決まり方じゃ解き手が苦しまねえじゃねえか!!もっと!!難しく!!しないとなァ・・・きーひひひひひいひっひひ」

楽しそうなみさきちゃん!!

「そうですのね・・・!これらの記号はどういう意味ですの?」

「あァ・・・?これはよォ~でかい長方形が少なくともここは入るって範囲だよォ~~~細かい確定箇所のメモでもしなけりゃ解けねェようにすればよォ~ますます難しく出来るって寸法よォ~~きひひひひひ」

「へぇーこうやってパズルって作っているのね・・・。」

黒川さんも既に慣れてきているぞ!!

「四角に切れはさっきみたいなよォ~安直に決まる四角があるかどうかは全体を見て判断しなきゃならんからよォ~~そういう所を消してやる!にも一苦労だぜェ・・・ぎひ、ぎひゃひゃひゃひゃ」

「勉強になりますわ~~!!!」


続く!!

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