第22話

前回の次の日だ!!お昼休み、クラスメイトと談笑するパズルお嬢様!!

以前までは全くもってベールに包まれたような存在で、でも立ち振る舞いや口調はお嬢様なのである噂もあらぬ噂もされていたパズルお嬢様であったが、黒川さんが話しかけに行ってからは他の人も少し話しかけやすくなったのかちらほら話しかけられる事が増えたのであった!!

パズルお嬢様側も普段はパズルしかしていないので共通する話題もなく、最近流行のテレビとか芸能人とかお笑いとか曲とか動画配信サービスのことは確かに全く分からない・・・が天候の話とか授業の話とか習い事関連の話で案外話せてしまうのであった。よかったね!!

今話しかけてきた生徒と話を終えて、ではパズルですわ〜〜とパズル本を取り出すと今度は黒川さんがやってきた!!

「あら黒川さん、ごきげんよう」

「ごきげんよう・・・。ちょっと良いかしら」

ひそひそ声になる黒川さん!!

「教室の後ろのドアの所、あの人・・・」

後ろのドアを見るパズルお嬢様!!こちらもひそひそ声になる!!

「あ・・・。わたくしが昨日見たのもあんな感じの子でしたわね・・・。もしかしてあの子・・・。」

「直接行くと逃げられてしまうかもしれないわね・・・。・・・貴女はここで座っててくれる?教室の前から出てバレないように後ろから話しかけに行くわ」

「分かりましたわ〜!」

机を離れる黒川さん!!いつものようにパズル本を解き始めるパズルお嬢様!!

一方ストーキングしている方の子の視点である!!お昼休みなので程々往来がありざわざわしている廊下から、パズルお嬢様の方をじっと見たり教室の扉の影に隠れたりしている!!

(今日こそははははははははは話しかけた。たたたいいいいいけどどど・・・。うううううううう)

「こんにちは」

「うわあああああああ↑あああああ↓あああああ↑ああ」

「あなた・・・。昨日の朝通学路で私のすぐ後ろにいた子よね」

「ははははははは(い)そそそそそそそそ(うです)きき(のうは)すすすすすすすすす(いませんでした)・・・わーーーーー!!」

「ちょっと!!待ちなさいよ」

逃げようとする彼女の腕を掴む黒川さん!!強張った表情こちらを見る彼女!!

「・・・貴方、多分だけれど・・・昨日から私達の事をストーカーしているわよね。どうしてか話を聞かせて欲しいのだけど」

「・・・!!??・・・。ひ、ひ、ひいぃ」

(話が成立しないわね・・・。)

「・・・ここでというのもなんだから教室の中で話しましょう」

黒川さんから肩を掴まれてパズルお嬢様の机の辺りまで連行されるその子!!

「・・・連れて来たわ」

パズル本から視線を上げるパズルお嬢様!!

「黒川さんありがとうですわ・・・。・・・確かにわたくしが昨日会ったのもこういう髪型の子でしたわね・・・。昨日わたくしと廊下でお会いになったかしら」

「は・・・!!・・・!!!!」

「・・・目がぐるぐるになっているわよ・・・。隣の席が空いているから座って・・・。はい」

座らせて彼女が落ち着くまで待ってあげる黒川さんとパズルお嬢様であった!!

「・・・そういえばもうすぐこの前貴女が言っていたパズルの本の発売日だったわよね」

「そうですわね」

「出ていないか帰りにキムラ書店(学校の近くにある大型書店の名前)に寄ってみようかしら・・・。」

少し時間が必要そうだったので世間話をしているとついに彼女がうつむきながら口を開いた!!

「私・・・ううう」

ポロポロ泣き始めた!!

「わわわ私・・・パズルが好きで・・・。でも周りにそんな子居なくて・・・。その時に、その・・・パズルお嬢様って言うあだ名の子がいるって、話してるのを聞いて・・・」

「本当にその名前で影で呼ばれているのですわね・・・。しかも他のクラスでも・・・。」

あらぬショックを受けるパズルお嬢様!!

「それで、で、一緒にお話ししたいと思ったのだけれど、どう他の子に話しかければいいか分からなくて・・・別のクラスだし・・・それで、見かけたら話しかけようと思って、思ったけど、近づきはするんだけど、話しかける声が出なくて、そのまま迷ってて結局話しかけられなくて・・・」

「・・・それがストーカーみたいな行動になっていたのね」

「昨日、電車に乗ってたら、あ、パズルお嬢様とよく一緒にいる子だと思って、話しかけようと思って、近くまで行ったんだけど、やっぱり、うう、ダメで、ぶつかっちゃって、ごめん、ね、うわああああ」

「昨日のはそういう事だったのね!!いいのよ!!泣かないで!!大丈夫だから!!」

慰めて上げる黒川さん!!優しいね!!またしばらく経って落ち着いてからパズルお嬢様は言った!!

「とにかく、ええと・・・お名前はなんと言うのかしら」

「ああああえええとととと、みさきといいます・・・」

「(緊張しているのかしら、下の名前から言う方は珍しいですわね)・・・みさきさんと言うのですわね、わたくしもパズルが好きなのでぜひお話ししたいですわ〜〜〜!」

「!!!!!」

「あ・・・でももうお昼休みが終わってしまいそうですわね・・・。今日のところは連絡先でも交換しておきませんこと?」

「!!!!!!!」

と言うことで某SNSや某SNSで繋がって今日のところは終わったのであった!!みさきちゃんよかったね!!めでたしめでたし・・・。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る