第21話
朝だ!!ここは駅!!電車がホームにスーッと入って来て停車して電車の扉が開いた!!そこからわらわらとスーツ姿の人やら制服姿の人やらその他色々な人の中に、黒川さんはいた!!黒髪を靡かせて通学鞄を持っていつもの制服でてきぱきと改札口に向かっているぞ!!
黒川さんは家というかマンションの最寄り駅から電車で通学しているのであった。ざかざかと、入学して夏休みを終えて2学期にもなればそろそろ見慣れてきた学校への道を歩いていると何かの気配を察知したのであった!!
(私・・・尾行されてる!?・・・って何よそれ、そんな訳)
振り返るとすぐ後ろに誰かいる!!キャアアとか叫びながら尻餅を付いてしまった黒川さん!!とその誰かも尻餅を付いていた!!黒川さんはそのまま束の間びっくりしていたけどふと周りを見回すと、訝しむ流れる人の目が!!
ああ、と立ち上がってお尻の辺りのゴミを払いながら相手に言った!!
「・・・ごめんなさい。急に振り向いたらあなたが居たので驚いてしまって・・・。お怪我は無かったかしら?」
手を差し伸べる黒川さん!!ところが相手も相当慌てた様子で
「うわわあああああああすすすすすすすいませせせせせせごごごごごごめんなさささささささささささ」
このような事を言いながら走り去ってしまった!
(何よ・・・)
と一瞬怒りそうになったものの謝罪の言葉らしきものは述べていたのでまあ・・・と自分の中で整理をつけて登校を再開したのであった・・・。
「・・・ということが今朝あったのよね」
帰りのホームルームが始まるまでの時間にふとパズルお嬢様の机に来て今日あったことトークをする黒川さん!!こんな隙間時間も見逃さずパズル本を解きながら、話を聞くパズルお嬢様!!
「それはびっくりしますわね・・・。・・・でも尾行ってことは無いのではなくて?」
腕を組んで黒川さんは言う!!
「そうよね・・・。でも尾けられてるって確信があったのよね」
「中々尾行されてると思うことなんてありませ・・・。・・・」
「うん・・・」
「さっき有りましたわね」
「え」
・・・
時は少し戻って1時間目と2時間目の間、少しの休憩時間!!パズルお嬢様はお手洗いを済まして教室へ帰ろうとしている時であった・・・。
(・・・?)
人のいない廊下に自分でない者の足音が響いている・・・が立ち止まって後ろを見てみると誰も居なく、足音も止まる。少し歩いて同様に立ち止まって後ろを振り向いても誰も居なく足音も止まる、少し歩いて同様に・・・と何度か繰り返しても同じことが繰り返されるのであった・・・。流石に誰かにからかわれているか何かをされていることは分かったパズルお嬢様!!立ち止まって振り返って言った!!
「・・・どなたですの」
パズルお嬢様の声が静かな廊下に響き渡る・・・。暫く待ってみても何も答えはないのでそのまま教室と逆方向にズカズカと歩いてみると廊下の物陰からぴよーんと誰かが飛び出して走り去っていった!!
「わわあわわあああああわっわあわわごごごごごごごごごごごめめめめませんんんんん!!」
と言うような事を言いながら・・・。呆然と走り去る何者かの後ろ姿を見送るパズルお嬢様・・・。
「・・・ということが今朝あったのですわ」
「あら、意外と尾行ってされるのね・・・。・・・冗談はさておき貴女と私を尾けているのは同じ人かもしれないわね」
「・・・そうですわね、捨て台詞が似てましたし・・・。何かの遊びかしら・・・」
「何かしらね・・・あ、先生が・・・また明日ね」
ストーキングしているのは誰か?その人物については翌日判明するのであった・・・。
続
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