第12話

「おーっほっほっほ!!」

意味も無く高笑いしてみたパズルお嬢様!

「ふう・・・。」

(スマホでパズルしている内に夕方になってしまいましたわね・・・。)

高笑いでは、夕暮れの寂しさ、そして進捗皆無で一日を終えてしまったことに対する何となくの虚しさを紛らわせなかったパズルお嬢様!連休をしっかりと楽しんでいるぞ!!

朝から寝室のベッドで横になりながら延々とスマホを触っていたので、部屋がすっかり暗くなっていたのに今になって気づいて、例の転がり移動でベッドから降り寝室の照明をつけたのであった・・・。コンコン!!

「失礼いたします、お嬢様。ご夕食の準備ができております」

「・・・今行きますわ。」

(そういえば今日は何も食べていなかったですわね・・・。)

執事の声にどこか安心しながら、たまにはこういう休日も良いものかもしれませんわね、と伸びをして寝室を後にするのであった。






・・・ちょっと短めなので悪のお嬢様の話も書きます・・・


ここは超豪華そうなマンションだ!そのうちの一室に悪のお嬢様一家は住んでいるのであった!

そしてここは悪のお嬢様の部屋・・・。悪の、というぐらいなので真っ黒な部屋なのかと思ったらふつうの女の子の部屋って感じだぞ!悪のお嬢様は良い成績の為に連休中の今日だってお勉強をしている・・・。具体的に言うと基本的な動詞(英語)の過去形とかを覚えている・・・。

「ぶつぶつ・・・keep kept kept・・・go went gone・・・なんで規則的に変化させないのよ・・・。」

文句を言いつつしっかり勉強している悪のお嬢様!その不規則に変化する過去形とかが沢山載っているプリントを数回音読するなり書くなりして覚えている内に、なんとなく数日前の英語の授業の後のお昼休みのこと、つまりパズルお嬢様のこと・・・を思い出してしまった悪のお嬢様!

(・・・私が・・・この私がっ、あんな、ですわ~とか言うような奴に勝てないなんて・・・くっ・・・。あんなのどう見たってネタキャラじゃない!!!!くそう!!)

忘れようと思っても却って意識してしまいイライラしてきちゃった悪のお嬢様!たまらず険しい表情でガン、と机を叩いた!

(・・・!くそう・・・)

(・・・)

やや呼吸も荒くなっていたが、自分の苛立ちを自覚した悪のお嬢様は数回深く呼吸をし、最後に息を吐いた!

「ふう・・・。私がここでイライラしても何にもならない。ならない・・・。」

自分に言い聞かせるようにぼそりと呟く悪のお嬢様!

「・・・そうよ、悔しいならその分練習すればいいのよね。今まで、私はそうしてきた・・・。うん、そうね・・・。そうする。」

決断した悪のお嬢様!勉強を中断して悪のお嬢様スマートフォンを取り出し、パズルが沢山投稿されている例のサイトを開いた!へやわけの★1や★2は全部解いてしまったので★3の途中から順に解いていく・・・。

(・・・。やっぱり前よりも早く解けるようになってきた。でもまだまだ・・・。)

そんなことを内心思いながらポチポチと解いては解答登録ボタンを押している内に、あることに気が付いてしまった・・・。

(そういえば、パズルといっても他の種類のパズルもあるのね)

右側にリストになっている様々なパズル名をじろりと見る悪のお嬢様。

(・・・)

黙ってそれらパズル名をタップして色々な種類のパズルも解き始めた!!

(シャカシャカ?これは・・・。なるほど、三角形を配置して長方形を作るパズルなのね・・・。・・・・?・・・。辺にこうやってくっつくように三角形を配置して解けばいいのね。なるほど・・・。綺麗)

(ダブルチョコ?・・・。・・・同じ形が二つくっついたように切り分けるのね。色々な形が出てきていい感じ・・・。)

(美術館?なるほど、そのマスの周りにある照明の数・・・。これは★1の問題ならかなりサクサクとけて楽しい・・・。)

ハッとした表情になる悪のお嬢様!

「・・・綺麗?いい感じ?楽しい?」

そして次第にわなわなし始めちゃう悪のお嬢様!!

「そんな・・・私・・・。まさか、パズルが楽しいだなんて、そんなわけ・・・。いつの間に、そんな・・・。」

思いもよらない自己を見つけてしまいうろたえる悪のお嬢様!手からスマホが滑り落ちて机の上にばた、と面で落ちた!更には1問解き終わってもう1問行きたくなっている自己をも発見してしまい、ますます当惑してしまう悪のお嬢様であった・・・。

(っていうか勉強も済んでないのにもう夕方じゃない!)


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る