第11話


「わーーーーー!!」

急に飛び起きたパズルお嬢様!暗い寝室、パジャマ姿で顔面蒼白だぞ!

(・・・!・・・黒いブロックに押しつぶされそうな夢を見ましたわ・・・。でも段差計算を間違えていて助かりましたわね・・・)

見る悪夢もパズルなパズルお嬢様であった。はあ、はあと肩で息をしていたけれど次第に呼吸も落ち着いてきたのでまた寝ようとして瞼を閉じ寝る態勢に入った!!

「・・・。・・・・。・・・・・」

ベッドのふくらみが呼吸で上下している!!

「・・・・・・妙に寝付けませんわね・・・」

むくりと上半身を起こしたがまた横になり、ふとんから下半身を出すとゴロゴロとやたら広いベッドを転がり移動して端へ到達した!そのままベッドの縁に座るような形で立ち上がり、カーテンを開けた。パズルお嬢様のお屋敷は丘の上にあり、部屋の壁をそのままガラスにしたような大きい窓からは街の風景や遠くの山の地形の陰、そして青みがかかった黒に散らばる夜の星々、そして月が一望できた。再びベッドに腰かけて眠れないのに眠そうな目をしてぼんやりそれを眺めているパズルお嬢様!

(・・・・・・。)

お部屋の時計を一瞥するパズルお嬢様!

(・・・・・・夜の2時半・・・・。)

(・・・・・・)

(私も、いつの間にか中学生になってしまいましたわね・・・。やっていることは小学生だった時と変わらず、毎日学校と、お稽古事と・・・。合間にどうにかパズルはできていますけれど、このまま高校生になって、大人になっていきますのかしら・・・。・・・うん・・・。)

深夜がそうさせるのか何ともアンニュイなパズルお嬢様!星の明かりが映し出すなんとも物憂げなその表情!星をじっとみつめている・・・。

(・・・・)

(・・・・・)

(・・・・・・)

(いけませんわね、いつの間にか星でポチコンを勝手に開催していましたわ・・・)

くあーと出る欠伸を手で押さえて、だんだん寝られそうになってきたので再び横ごろごろベッド移動でベッドの中央へ復帰した。掛け布団を被ったパズルお嬢様、しばらくたつとすやすやと寝息を立てて入眠したのであった・・・。

朝だ!コンコン!!!

「失礼いたします。おはようございます、お嬢様。」

「・・・おはよう、執事・・・」

睡眠時間の減少によりやや眠そうなパズルお嬢様!

「・・・?寝不足でございますか、お嬢様。もしや、夜更かしなど・・・」

「深夜にひどい夢を見て起きてしまいましたの。黒いものに押しつぶされてしまいそうになる夢でしたわね・・・。」

「・・・。・・・お嬢様・・・」

「ほ、本当ですわよ」

「・・・この執事、実は密かに心配しておりまして・・・。お嬢様の様々なプレッシャー、そして日々の忙しさ・・・。ああ、ご無理をなさっているのでは、と分かっていながらこの執事め!なんの手段も講じず・・・」

唐突に狼狽している執事、なんと涙まで滲ませている!

「!?いや、いやいやいやそんなことは・・・。ええと、少しはあるかもしれませんのですけど、辛いというほどじゃ」

「分かりました。今日明日明後日は幸いにも連休でございます。習い物はございましたがそれもお休みにして完全に休暇に致しましょう。ええ、そうするべきです。絶対そうです。ええ、そうです。私は色々の手配をしておきますので、ゆっくりお休み下さい。・・・ううっ、失礼致します」

寝室の扉を閉めて涙を拭いつ気持ち早足で去る執事!

「あら・・・・・・・・。」

寝ぐせの付いた髪を触りながら、何か意思がきちんと疎通されていない気がして少し考えていたパズルお嬢様であったが、最終的にはまあ連休でパズルが沢山解けそうでラッキーですわね、ということにしたのであった。

そしてまだ眠たかったのでそのまま二度寝もしちゃうパズルお嬢様であった・・・。


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