第9話
学校はお昼休みだ!
さすがに学校ではピシーとしているパズルお嬢様!姿勢を正しく椅子に座ってパズルお嬢様家のシェフ謹製お弁当・・・サンドイッチを清楚に食べているぞ!
パズルお嬢様は中学校に入学してから友達がいない!何故かというと一時でも長くパズルを解きたいと休み時間を全てパズルを解くのに費やしているからなのだ!ただしその他の授業でクラスメイトと全く会話等が無い訳では無いぞ!そういう経緯でいかにもお嬢様口調でお嬢様な振る舞いをしているが親しい人が居らず詳細が全く分からないパズルお嬢様は何となくミステリアスな存在として周囲には捉えられており、なんなら噂に尾ひれがついたり付かなかったりしてクラスの中で最も魅力的な存在にさえなっていたのであった!かわいいし!!!
そんな様子が気に入らなそうな別のお嬢様の生徒が!今回はライバル的なよくありそうな展開をやりたいのでここは悪のお嬢様と呼ぶことにしよう!悪のお嬢様は机に肘をつき、ジトーとした目でパズルお嬢様を見ている・・・。彼女は大変に優秀で、小学校の時は全科目成績はトップ、クラスの中でも一番の人気者であった。しかしその後この中学校に来てからは優秀な生徒が多く成績トップは取りきれなくなり、クラスの中も話題になるのは自分の事じゃなかったり、多くはパズルお嬢様のことだったりして不本意な学校生活を送っていたのであった。そういう気持ちでクラスメイトと会話をしたりしてますます孤立が深まりますます性格がひねくれてしまいすっかり悪のお嬢様に・・・。
周囲の人がパズルお嬢様素敵だよね~とかこそこそ話しているのが耳に入ってきて、気にしないようにと思っても気にしちゃう内に腹が立ってしまった悪のお嬢様、ガララと椅子の音をたてて立ち上がった!ずんずんとパズルお嬢様の机に向かう!
一方のパズルお嬢様!ランチも済んで今日も元気に楽しく健やかにパズルを解いているぞ!!
(今日はへやわけのパズル本ですわね・・・楽しいですわ~~!)
黒マスを塗ったり点(黒マスでなく白マスになるマスを表す)をしっかり打って着実に解いていくパズルお嬢様!
「ちょっと。」
(・・・♪)
「ちょっと!!」
「・・・あ・・・」
悪のお嬢様を見上げるパズルお嬢様!
「あら・・・。わたくしに何かご用ですの?」
「あんたあねえ。何様のつもりか知らないけど」
少なくともパズルお嬢様だ!
「クラスの誰とも話そうとしないで孤高の存在のおつもりかしら?同級生と話すなんて下らないなんて心の底で見下していたりして。他人に興味が無いなんて中二病か何か?それとも友達を作るのがとーっても苦手な陰キャ・・・」
パズルお嬢様はパズルを解いている!
「聞けーっ!!!」
「ああ・・・。まとめるとどういうことですの?」
「気に食わないのよ!!」
「あら、悲しいですわね・・・」
・・・それじゃ、とばかりにまたへやわけ本に戻るパズルお嬢様!
「ちょっとーー!!!」
流石にむっとするパズルお嬢様!
「なんですの、わたくしは今(パズルとふれあうので)忙しいのですわ!!それに、こんなに大声を出して教室を騒がせて・・・ほら、皆がこっちを見ておりますわよ!」
確かに騒いでいるので何事ぞというような、教室中の目線がこちらの方へ!!
「くっ・・・!・・・大体なんなのよこの本は!!」
悪のお嬢様はパズルお嬢様の本を取り上げた!!
「あー!!」
「何よこれ・・・パズル?下らない・・・。こんなの簡単に・・・。・・・」
ところどころ太線で区切られ、数字もところどころに入っているマス目を睨みつける悪のお嬢様!
「・・・・・・・・」
「・・・ルールは初めの方のページに有りますわよ」
「・・・・」
無言で最初の方のページを見る悪のお嬢様。ルール文と例題を睨みつける!!
「・・・・・・・?・・・・・?」
「あ・・・例えば角にある2×2で2はいかがですの?黒マスの入れ方は2通りありますけれど」
「そうなのよね・・・ああ、分断してはいけないということね」
「そうですわ~~~!!」
「それで・・・。・・・・?・・・・・・??」
「この大きな黒ますのつながりがありますわよね、ですからこのマスは・・・」
「・・・黒マスにならないということ・・・」
「そうですわね。そういうマスには点を打ったりすると便利ですわよ」
「・・・・・・・(例題が)解けたわー!」
「おめでとうございますですわ~~~!!!」
「やった・・・じゃねんじゃー!!」
1題解けたぞ悪のお嬢様!パズル本を机に置いてわなわなしている!
「・・・くっそー!覚えてなさいよー!」
「・・・!??」
すごすごと去って行く悪のお嬢様!色々と良く分かっていないパズルお嬢様!急に嵐が来て急に消え失せたような妙な静けさに少し呆然としていたが、はっ、お昼休みも残り少ないですわ~!とへやわけ本を持って続きからまた解き始めた!!
(・・・?なんだか楽しいお方でしたわね)
チャイムが午後の授業の始まりを告げた・・・。
終
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