効かない
あの騒がしかった武道祭も終わり、街は日常に戻っていた。
そして、僕の生活も日常に戻っていた。
今日は何しようかな?
Dランクになって受けられる依頼は増えたけど、また今度に確認しよう。
とりあえず、適当にモンスターの討伐でもしてこよう。
ここら辺にいる魔物は
角系と森系の魔物で整理すると
角/森 ウサギ
角/森 ウルフ
(森)ゴブリン
(森)コボルド
(森)スライム
角トカゲ 他
あとはイーター・プラントって言うやつ
こんな感じらしい。この中で強いのイーター・プラントだけらしいけど、ゴブリンやゴボルドが5匹以上集まっていたら迅速にギルドに報告するのが掟らしい。
あっ、いた。スライムだ。
面倒くさいから見逃そうかな。
実はスライムを倒すのは簡単で透けて見える核を壊すだけでいいんだけど、
僕のスキルが効かない面倒な相手だ。
スライムは攻撃してこない
ただ、そこにいるだけ。でも、彼らの体は強い酸性の液体でできていて触れると
鉄くらいなら溶けてしまう。
もちろん、革も人の皮膚も溶ける。
やっぱり倒そう。
~戦闘開始!~
スライムがこちらを見ている
ユウトは穴を掘った
スライムはポヨポヨしている
ユウトは穴の中にスライム瓶を置いた
スライムが見ている
ユウトは穴の上に布を敷いた
スライムが風に飛ばされそうになっている
ユウトは急いでスライムを布の上に蹴飛ばした
スライムは転がっている
ユウトはスライムの核を銅の棒で壊した
スライムを倒した
スライム液を獲得した。
終わったー!
スライム液は攻撃に使えるからね、確保しておかないと。
ウルフやウサギを倒したら街に戻ろう。
早く、出てこないかな。
呑気に森の中を歩いていると、
遠くから大きな声と戦闘の音が聞こえた。
「お逃げ、くだ、い、めさまぁー!」
うわぁ、なんだ。びっくりした。
でも、近いな、行ってみよう。
なんだ、あれ。
角ウルフか?
いや、でも大き過ぎる。
「大丈夫ですか?」
「見てわかるだろ、大変な状況だ。」
いや、そうなんだけど。前に勝手に助けたら後からぐちぐち言われたんだもの
「そのウルフはいったいなんですか?」
「正確ではないが、プライムウルフだと思われる。
悪いが周りの普通のウルフたちを倒して
そのひ、ではなくて女の子を連れて逃げてくれ」
「いや、そしたら貴方が」
「大丈夫だ。お前が増援を連れてくるぐらいの間は耐えられる」
絶対に引かない人だな、この人は。
「分かりましたよ」
ただ、ウルフの数が多いな。
全部で8体ほどか。
ウルフA,B,C,D,E,F,G,Hと名付けてあげよう
ちょっとやばいけどやるしかないな、
忘却(自分)ーA
(※ ウルフAに対してユウト自身の存在を忘れさせています)
Aのやつのところまで急いで、他の奴らのところへウルフAを投げる。
良し、倒した。
僕を攻撃しようとしてたみたいだけど仲間を攻撃しちゃったね。
やばっ、E,Fがが突進してきてる。
今度はこのE,Fに
忘却(自分)ーE,F
目標に向かって走っているときにその目標を失ったらどんな感じなんだろう。
そんなことどうでも良いや、Eにスーパーパンチ。
うっ、痛っ。
やっぱりダメか、Fに引っ掻かれた。
どうやら、僕の存在は簡単なことで思い出してしまうみたいだ。
例えば、仲間の一体に攻撃をするだけでも思い出す、もしくは再度認識している。
残り6体か、あと3体で勝てる。
はっ、やばいな。
素早く動いてきた、僕の弱点をすぐに見抜いてきたか。
そう、僕のスキルはしっかりと対象を認識していないと忘却できない。
このウルフたちの速さだと結構辛いな。
まぁ、でも良かった。
攻撃してくるのは二体だけか、
忘却(腕の動かし方)ーA,B
攻撃するときはあんまり早くないね、認識できたよ。
あと、君たちB,C? 忘れちゃったからA,Bでいいよね。
キック、アンド、パンチ。A,Bも倒せた。
あとは4体、
あっ、標的変えた。
女の子の方に行ってる。
他人には使ったことなかったけど、
出来るのかな、
忘却(女の子)ーA,B,C,D
できた、しかも同時に4回も。
じゃあ、勝てるね。
忘却(現在)
はい、ダブルパンチ、ダブルキック。
討伐完了!
「ねぇ、逃げるから」
「いや、でも、スザクが」
「あの人からお願いされたんだけど…
あー、面倒だな。いいよ、そこにいてね」
あのおっさんを助けてやるか
「おっさん、相手を混乱させるからその間によろしく」
「いや、逃げてくれ。これは人間が勝てる相手ではない。その女の子を連れて逃げてくれ」
「大丈夫だから」
忘却(現在の戦い方)
「今!」
「あぁ!」
その時、僕は何か違和感を感じた
「ダメだ! 離れて」
(お前、我の、いや、気のせいか)
喋った、ウルフが
「俺らを見逃してくれ」
ここで、喋れるのかなんて聞くやつは馬鹿だ。喋っているんだから。
(ふん、何故だ? お前らも我の同胞のウルフたちを狩っているではないか。
同じことだ)
くそ、ダメか。
なら、忘れされてやる
忘却(生命活動)
(ふん。今の貴様ごときの力では忘れされることはできない。
だが、まさか、本当に忘却の者だとはな。
我はフェンリル、ガルブの支配者である
殺めるつもりはなくなった、これは忠告だ)
その場で僕は意識を失った。
才能の無い冒険者〜全てを忘れさせる〜 ピリパ @piripa
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