第11話 武道祭

ついに、武道祭当日になった

街の様子はまさにお祭り騒ぎだ。

このお祭り騒ぎは今日から一週間ほど続くらしい

ただ、多くの人は昨日から前夜祭と言って盛り上がっていたけどね。


そして、僕は約束通り教会の前に来ていた。


子供たちが元気いっぱいで出てきた

「お兄、おはよー」

「「おはよー」」


「おはよう、みんな」

シスターが来ない。


「シスターな、なんかめっちゃ鏡の前に居た。ちょっと時間かかるって言ってた」


そうなんだ。お祈りでもしているのかな?


少し時間が経つと、シスターが出てきた


「すいません、遅れました」


衝撃が走った。


「あの、ユウトさん。固まってますけど大丈夫ですか?」


「えっ、あっ、はい」


僕は彼女のことをもっと知りたいと思った。


「僕、武道祭初めてなんだよね。

案内頼めるかな」


「任せとけ。ちゃんと俺が案内してやるからな」

「私も、出来る」


「2人ともよろしくね」


一通り案内してもらうと、この武道祭のメインイベントである武道大会の所まで来た。


「此処は武道アリーナだぞ。武道大会の予選と本戦がやってる。

決勝戦とか凄いんだぞ、何やっているか見えなかった」


そうなんだ、というかこんなの無かったよね。この大会のために作ったんだ。


「お兄、お腹すいた」


「そうだね。そろそろお昼だから何か食べようか」


シスター達はどこに行ったんだろう。

子供達に案内してもらっている間に逸れてしまった。


「皆んなは何か食べたいものある?

なんでも良いよ」


「俺はあのソルベ風お好み焼きがいい」

「私は、タコの入った丸いやつがいいです」

たこ焼きかな

「バルは焼きそばがいい」


シスター達の分も買っておいたほうがいいのかな、でも好きな食べ物とか分かんないだよな。


「ねぇ、シスター達の食べたそうなものとかわかる」


「「分かる」」

「コルトはお肉が好きだからあの肉を揚げたやつが絶対好きだな」

「サーナもね。私と一緒でタコの丸いやつが好き」

「メリーお姉ちゃんは甘いものならなんでも好き」


みんな、仲が良いだなぁ。


「シスターは、…なんだろう」

「私もちゃんとは分からない」

「シスターはバルたちの好きなものは作ってくれるけど分かんない」 


そっか、みんな分かんないのか。

女性だし甘いものが好きかな。いや、そんな決め付けは良くないか。


どうしよっかな。


「あっ、そうだ。思い出したぞ」


びっくりした、大きい声は急に出さないでほしい。


「何を思い出したの?」


「あのな、シスターは熱々のあれが好きだ。

あんまんってやつだった気がする」


そっか、でもそれはお昼ご飯には無理そうだね。


「そうなんだ、ありがとう。

よし、じゃあ、先に混んでいるたこ焼きから並ぼうか」


「「うん」」


そして、僕たちは長蛇の列に唖然とした


「わたし、並びたくなーい」


確かに、いや、でも流れるのは結構早いな。


「並びながらしりとりをしようか、勝った人は1つ言うことを聞いたあげる」


「ほんとか、じゃあ俺が勝ったらお兄に協会に泊まってもらう」

「私もそれにする」

「私も!」


そんなに泊まってほしいのか、嬉しいな


「キナ、マクロス、バル、僕の順番にしよっか。

じゃあ、まずはしりとりのりからね」


「りょうり」


「りゅう」


「うみ」


みから始まること言葉か

「未来」


そして、しりとりが13週を回った頃、


「ココア」


あから始まることか。


僕が考えていると大きな声が聞こえた


「あっ、いたー!」


「ユウトさん、やっと会えました。良かったです。


あと、これみんなの分のあんまんです」


「ありがとうございます」


するとキナが僕に話しかけてきた。

「お兄さん、それ何?」


「あんまんだよ」


「「勝った!」」


えっ、あっ!

しりとりで僕は'あ'から始まる言葉を言わなきゃ行けなかったんだ


「あの。今の無しは‥」


その笑顔は反則です。今の無しなんて言いないね。


「シスター、お兄いが協会に泊まってくれるぞ」


「そうなんですか?」


「はい、迷惑をお掛けします」


「いえいえ、お泊まり会みたいで楽しみですね」


そして、僕はこの武道祭の間、協会に泊まることになった。

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