第10話 試したい事

あのスキル消滅の話を聞いてから試したいことがあったんだよね


それは

あっ、角ウルフ。

あいつで実験してみよう


忘却(スキル)


んー、分からない。こいつらってそもそもスキル使ってるっけ?

普通に爪で攻撃してきた。


やっぱり無理かな。相手のスキルを忘却させるなんて。

いや、でも自分のスキルは多分忘却させられたんだよな。


うーん。

とりあえず、今は無理って事でイベント手伝いに行こう


「初めまして。イベント手伝いに来たユウトです」


「良かった。

本当に人手が必要だったの。

私はカンネ、よろしくね」


「よろしくお願いします」


「じゃあね、君には資材を運んでもらおうかな。

騎士団さんの場所ってわかる?その隣に資材置き場があって人が立っているから手伝いに来ましたって言って」


「分かりました。場所も分かります」


カンネさんに言われた場所はここのはず


あっ、あれかな。でも誰もいない


勝手に持ってていいかな?


「あっ、ドロボー!

これはお祭りに必要なものなんだ。

盗むならこれ以外にしろ」


いや、盗んじゃだめだよ


「あっ、君がそうかな。

僕はカンネさんに頼まれたんだけど」


「なんだ、早く言えよ。

泥棒じゃないのか。

これを全部持っていってくれていいぞ」


全部!?


「それっていつまでかな?

明後日とか」


「今日に決まってんだろ。

まぁ、でも人手が少ないらしいから明日とかになっても仕方ないかもとは思う」


しょうがない、やるだけやってみよう


と意気込んだはいいもののもう無理


「おーい。大丈夫かユウト。

しっかり休めよ」


「カンネさんは凄いですね。

疲れ知らずに見えます」


「そりゃそうよ。疲れなんてどっかに忘れてきた」


忘れる‥


もしかして


忘却(疲労)


出来た。復活!


これは思い出したヤバいタイプだけど

こういうのはあんまり思い出せないから大丈夫かな


そして、日が沈みかけた頃


「カンネさん、終わりました」


「まっ、まじか。ユウト凄いな。

本当は明後日ぐらいまでに終われば良いかなぐらいに思ってたけどありがとな。


これは依頼の達成書、祭り来いよ」


やっぱり、明後日でよかったのかよ。


それはそうと、依頼終わったー!

これを提出したら晴れてD級になれる。


そして、冒険者ギルドで最後の依頼報告書を出した。


「おめでとうございます。これで貴方はD級です。

と言いたいところですが、ちょうど良いので一つ課題を与えます」



冒険者ギルドから出てきたユウトは入ってきた時とはまるで違う感情だった。


僕が誰かと祭りを楽しむ、そんなの無理でしょ。今までで1番難しい課題だ。

そもそも僕の知り合いはシロウさんと商人の人だけ。

ダメ元でシロウさん誘ってみるか。


夜の酒場にて、

「シロウさん、聞いてください。

D級になれたんですけど、最後に究極やばい課題が出されました」


「D級になれたんだな、おめでとう。

それでその究極の課題ってのはなんだ?

飛竜でも倒せとか言われたのか」


飛竜か、それはやばそうな依頼だな


「違います、そう言うやつじゃないです」


「じゃあ、なんだ?


あっ、すいません、このモデロをもう一杯ください」


お酒、追加してる。まぁ、良いけど


「武道祭を誰かと一緒に楽しまなきゃいけないらしいです」


「へー。それで」


「それが最恐最悪の課題なんですよ。

シロウさん、一緒まわってくれたり」


「あー、無理。

武道大会にも出るし、女の子と約束してるから」


リア充かよ、敵だ。


「僕、シロウさんぐらいしか知り合いいないですけど、どうしてくれるんですか?」


「いや、お前、


そういや、この間、女の子とイチャイチャしているの見たぞ。その子と行けよ」


え?いつ、僕が?

「どこでですか? 全く記憶ないんですけど」


「果物屋の前」


あー。

「違いますよ。彼女は教会のシスターですよ。たまにご飯を食べされてもらってるのでお礼に、」


「お前、やるな。あのシスターは可愛いもんな。その子と行けば良いだろ」


「考えておきまーす」


確かにその考えが全く思い付かなかったけど良いかもしれない。

明日、提案してみよう。


そして、次の日。

ユウトは角ウルフ三体を討伐し、その後教会に向かった。


「こんにちはー」


「「こんにちは!」」

「ってなんだよ、兄ちゃんかよ」


なんか、ごめんね


「シスターはいるかな?話したいことがあるんだけど」


「呼んでくる、待っとけ」

タメ口、舐められ始めたかな?

あ、いやずっとそうだったかもしれない。


「ユウトさん、こんにちは。何かあったんですか?」


「いえ、特に事件とかではないんですけど。

今度の武道祭を僕と一緒にまわっても良いかなと思いまして参上致しました」


なんか、子供たちがニヤニヤしている

シスターも顔が赤くなっている。どうしてだろう


「あっ、あの

本当に嬉しいんですけど子供達だけにするわけにはいけなくて、でも、本当に嬉しいんです」


どういうこと?

「あっ、いえ、僕が子供達を連れてまわって、その間だけでもシスターには自分の時間を楽しんで頂こうと思っていたのですが…」


「そっ、そうですよね。

本当にそのような事をしていただいて宜しいのですか」


子供達がなんか凄い顔で僕を見ているんだけど、行きたくないのかな?

「僕は良いんですけど、

ちょっと子供達にも聞いてみますね。


武道祭、僕と一緒に楽しんでくれる人ー!?」


「「はーい」」


良かった、嫌なのかと思った。


「でも、わたし、シスターも一緒がいいなー。

ねぇ、シスター」


「そうですね。私も一緒に行きます」


どうやら、僕を入れて8人でまわるようです


~後書き~


子供達の名前は


女の子:サーナ、キナ、メリー

男の子:コルト、バル、マクロス


です。

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