第7話 街を知ろう

~シロウさんと一緒にいます~


Dランク冒険者は別名、街の冒険者。

この街に根付いてるってことだな。

つまり、街のことを知らなければならない


「それがD級の条件なんですか?」


「少なくともそれが必要なだけだな。

実はあんまり知らないんだ。俺はこの街出身だからな。

ただ、聞く限りだと面倒くさいらしい」


面倒くさいんだ、嫌だなー。


「どんなの事をするんですか」


「それは言えねぇな。言ったらやばいから」


「降級でもさせられるんですか?」


「いや、それよりもやばいと思う」


話したくなさそう、これ以上聞くのをやめよう


「そんなことより、お前、まだ酒飲まないのか?」


「まだですね。

でも、最初はシロウさんと飲むって決めてますよ」


「お前、嬉しいこと言ってくれるな」


単純に自分がどのくらい飲めるかも分からないから一人では飲みなくないし。

どうせ誰かと飲むならシロウさんかな、ぐらいしか思ってなかったけどね


「そろそろ、帰りますか。

もう、眠いですし」


「そうだな、帰るか」


おぉ、珍しい

いつもなら

あと、一杯。とかって言ってくるのに


「今日はあと一杯とかって言わないんですね」


「まぁ、お前の奢りだしな」


そっか

「じゃあ、また今度」


「おう、また明日な」


明日もかー。嫌じゃないけど


そして、次の日


朝だ。

何故だか今日はちゃんと起きれたな。


今日は一切の戦闘をしません、

やることはずばり、わからない。


でも、まずは冒険者ギルドに行くだけです。


外に出るとまだ、肌寒かった。

だけど、昨日の夜とは打って変わって静かでなんだか心地が良かった


少し歩き、僕は冒険者ギルドに入った。


「おはようございます」


「おはようございます。ご用件はなんでしょうか」


「D級試験を受けにきました」


「推薦状はお持ちでしょうか」


「推薦状は持っていないんですけど、シロウさんが「俺が推薦する冒険者だから」って言っといてと言われました」


「そうですか。

‥‥

正確にはどのようにおっしゃってましたか?」


「えっと、「俺のオススメの新人君だ、よろしく」だった気がします」


「そうですか。分かりました。

少しお待ちください」


お待ちすること2分。

「お待たせしました。

ユウト様のD級昇級におきましては

全部でツーステップございます。


一つ目はこの中の3つの依頼を受けていただきます。


二つ目は出来るだけ多くの住民の皆様と関わりを持ってください」


相変わらずお待たせしてない。

二つ目の依頼ってどうやって達成すれば、あれ?

依頼じゃない


「はい。

実質、貴方様は3つの依頼を受けるだけでDランクになれます。


ですが、住民の皆様と関わりを持つことを強制はしませんがお勧めはします。


私的には正門から貴族領の手前までお散歩なされてはどうでしょう。

挨拶程度の仲でよろしいのでお願いします」


あれ?僕、声に出したっけ?

まぁ、いいや。二つ目をやろうかな。



そして、僕は正門に来ていた


街の入り口で警備の人が二人いる。

「こんにちは」


「「こんにちは」」


門を通り過ぎると見えてくるのは飲食店の数々。


こっちら辺にあったんだ、逆の方で僕は探してたな。


まず、なんとなく穏やかそうなパン屋さんに行こうかな。


実は僕、人見知りなんだよね。人が多いと挨拶したいと思ってもできないことが多い。

3人ぐらいまでは大丈夫なんだけどね。



いざ、出陣

「こんにちはー」


「いらっしゃいませー」


5歳ぐらいの可愛い子が出迎えてくれた

小さい子には人見知りは発動しないから大丈夫


「こんにちは、お名前はなんて言うんですか?」


「はい! 

ナナはナナって言います。

お父さんはロクスって言う名前でお母さんはサナって言う名前です。

お兄ちゃんもいて、名前はナルって言うんだ。

お兄さんの名前は?」


「ユウトだよ。

お勧めのパンはなに?」


「はい! カメの形のメロンパンです」


「じゃあ、それをください」


僕はパン屋さんを出ると行き詰まった。


何故なら穏やかそうな感じの場所がもう思いつかなかったからだ。


どうしよっかな。とりあえず歩くだけで良いか。


歩いていると知らない場所ばかりだった。

今までの僕は宿、冒険者ギルド、狩場、たまに料理屋さんっていうのを無限ループしてけど

これからはもう少し活動範囲を広げてみようかな


ユウトはある建物に心が惹かれた

それは決して豪勢というわけではないがとても綺麗な建物だった


綺麗だな、ここは教会? 


おぉ、子供がたくさん出てきた。


「お兄さん、なんでこんなところでボーッとしてるの。一緒に遊ぼう、こっち」


「えっ、あっ、やっ」


更に子供がたくさんいる。


「みんな。おっきい人来たー!」


「そこで捕まえたんだ」

「すごい」


僕、捕まえられたんだ

「みんな、何してたの?」


「えっとね、忘れちゃった。

鬼ごっこしよ、おっきい人が鬼で良いよね」


「良いけど、」


…まぁ、いっか。今日は暇だったから。


「みんな、逃げろー!

おっきい人が鬼だ」


はぁ、はぁ、はぁ、疲れた。

ツノウルフの方が楽。


「みんな、お兄さん疲れちゃったから休んでい」


みんな、寝てる。

みんなも疲れたのかな。


でも、やばいな。この子たちを親の元に帰さないと。

腕に2人、首に1人、それでも3人だもんな。

全然足りない

どうしよっかな


すると、後ろから声をかけられた。

「あのー。すいません」


「はい。なんでしょうか」


「その子たち、


「あっ、お母さんですか?

子供たちは遊び疲れて寝てしまったんですよ。

一緒に親御さんの元へ帰すの手伝って貰えませんか?」


「あっ、いえ。その子たち親がいなくて教会で一緒に暮らしている子たちなんです。だから、」


「あっ、そうなんですね。じゃあ運ぶの手伝います」


「ありがとうございます」


~後書き~

強制はしませんがお勧めします。


って良いですよね。


私が好きな漫画「シンマイ新田イズム」というので出てきました。


強制って私的には嫌いな言葉なんですよね。でも、お勧めって言うのは好きな言葉です

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