第6話 剣とか憧れますよね?

もう朝か。

晴れて一週間前にEランク冒険者になった僕だけど、周りの冒険者の方たちをみて思ったことがある。


それは、みんなの武器とか防具とかがとても格好良い。

僕はほぼ私服。


剣とか憧れちゃうよね。

ということで、

今日は武器とかを見に行きます。


何処へ見に行くかというと装備市場というところ。

この街に住む人だけじゃなくて、遠い地方からわざわざここまで装備を買いに来る人も大勢いるらしい。


宿から10分ほど歩き目的地の装備市場に到着した。


(着いた)


ちなみに朝ごはんは食べていません、朝は食べない派なので。

たまに、お腹が好きすぎて食べるけどね、1ヶ月に1回くらい。


というか、凄いな人の多さが。

朝なのに人で道が埋まってる。


僕が人の多さに唖然としていると後ろから

「金を出せ。さもなくば、えーっと、あれだな、あれするぞ」


これは絶対、シロウさんだな。

シロウさんはあの日以来、毎日のように食事に誘ってくれている

「良いですよ。ちょうど聞きたいこともあったので今日の酒場代は僕が奢りますよ」


「おぉ、本当か。うまくいくもんだな。

じゃあ後で。

じゃあ、後で。じゃないわ。

どうしてこんなところにいるんだ?」


「装備を買いに」


「そうか、だがここはEランクエリアじゃねぇぞ」


なにそれ、Eランクエリア?

「なんですか?

そのEランクエリアって」


「おまえ、知らないのかよ。

この市場はDランク以上とそれ以外で別れてんだよ。

正確にはちょっと違うけどな」


「へー。でも、お金は結構持ってますよ」


自分でいうのもなんだけど結構持っているんだよね


「そうなのか。

確かに金さえあればどこでも買えるが、

正直なところ、ぼったくり価格だぞ。

まぁ、Eランクエリアにあるのはお世辞にも良いやつとは言えないけどな。

だから、俺がお勧めなのはDランクになって武器を買うことだ」


そうか、でもちょっと見てみたいんだよな。

というか、シロウさんはどうして此処にいるんだろう。


「ところで、シロウさんはどうして此処にいらっしゃるんですか?」


「ん?俺か、俺は装備のメンテナンスを受け取りに」


「着いてっても構わないですか」


「別に、いいぞ」


シロウさんの後を追いかけていくと、人通りが少ない道に来ていた。


「本当に、こんな所にお店があるんですか?」


先程まで人の多さが嘘みたいだ。


「知る人ぞ、知るってやつだよ。


着いたぞ、ここだ」


え~、なんか入りづらい。


「何で、突っ立てんだよ。早く、入れよ」


あいあいさー、


「中は普通だろ」


普通というか凄い


「凄いですよ。外観に騙されました」



「おい、オヤジー。

装備をとりに来たぞ」


「あぁん、うっせーな。まだ昼前だろ


って、シロウじゃねぇか。

何しに来たんだ?」


「何しにって、装備をとりに来たに決まってんだろ」


「あー、忘れてたわ。

ちょっと待ってろ」


でかい、僕の3倍の大きさはある人だった


「あっ、おめー、ビビってんな。

あの人、体はバカみたいにデカいからな。

俺も最初はビビったわ」


「はい。僕よりも断然、冒険者みたいな体つきでしたね」


「お前は細すぎだけどな」



「待たせたな、シロウ。

ほらよ、お前さんの装備だ。」


「いつも、ありがとな。これでまた、冒険ができるぜ」


「ところでよ、お前さんの隣にいるヒョロヒョロはなんだ?」


「こいつか? こいつはユウト。

期待の新人だ」


「お前さん、冒険者なのか。

俺が必要だと思ったら訪ねてこい。

じゃあ、帰れ。

俺は寝るんでな」


僕たちは店を後にした。


「ユウト、お前、気に入られたな。

装備を造って貰えるぞ。


いや、でもまじか。

俺なんて1ヶ月かかったけどな」


「どういうことですか」


「あいつに装備を造ってもらうまでに1ヶ月もかかったんだよ。

毎日、あいつに会いに行ったからな」


「そうなんですか」


「まぁ、でも性格が悪いからじゃないぜ。

あの人の装備は性能が良すぎて過信してしまう奴が多いんで、過信するだけなら良いんだがそれで帰らぬ者になるやつもいるからな。

だから、あの人の装備に見合う力があることを証明しつづけたんだよ。

ゴーレムの核を大量にとったり、そんなことを事をな」


「それは凄いですね。

僕は多分、まだ造ってもらえませんよ。

あの人は必要になったときって言ってましたよ。

もし、今、行ったらまだ必要じゃないとか言われて返されますよ」


「そうだよな、

ていうか、お前。ゴーレムのこと知らないだろ」


なんで分かったんだろう?

「まぁ、そうかもしれないし、そうでないかも知れません」


「どっちでも良いわ、そのうち知るだろ。

じゃあ、今日の夜な。

俺は今からでもいいけど、嫌だろ?」


「はい、嫌です。今日の夜、いつもの場所で」


「そんなはっきりと嫌ですって言うなよ。ちょっと傷つくだろうが」


んー、どうしよう。

無視でいいや。


「いや、なんか言えや」


「あっ、すいません。

面倒くさいと思って無視しました」


「いや、もう、よくないけど良いわ」


「どっ、じゃあ。また後で会いましょう」


「おう、じゃあな」


僕の判断は正しかったよね、別れることが出来たし。

あの時、

どっちなんですか?とか聞かなくてよかった。


とりあえず、

お腹空いてきたし、ご飯食べに行こう。


~後書き~

この話を書いているときにシロウさんが冒険者Aからアルカ・シロウという準レギュラーキャラに昇格しました

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