第3話 馬車道

森を抜けた先は草原だった。


「みんな、おはよう」


なんてね、僕は1人です。

さて、次なる目標は街探し。とりあえず、人が通りそうな道でも見つけられると嬉しいですね。


進む方向はそうだなぁ


よし、決めた。

斜め左にしよう、理由はないけど。


しばらくしてその選択が失敗だったとユウトは後悔した


うぇー、ミスったか。景色が全く変わらない。


あの時、右に行けば良かったのかな、それとも真っ直ぐが正解だった?

けど、戻るのは面倒だしそのまま進むか。

それに、どっちも正解だったとは限らない。もっと酷い状況になっていたかもしれないしね。


よしっ!お昼ご飯を食べよう。


ユウトはいつも通りの硬いパンを取り出した。

そして、禁断の森で捕獲した魔物も取り出した。


~ユウト クッキングー!~


まず、ツノウサギ。

まぁ、色々と下ごしらえをして鍋に投入。

そして、採っておいた食べられる葉っぱも投入。

そしてそして、水とパンも投入。


火炎石を鍋の下に置いて、10分くらい煮込めば、


完成!


ここで僕は重大なことに気づいてしまった。

スプーンとかの食器類持ってくるの忘れた。木の枝で作るしかない。


~ユウト メイキングー!~

これからスプーンを作っていきたいと思います。

材料は木の枝だけ、特別な材料は一切必要ありません。


まず、木の皮を削いでいきたいと思います。


はい、できました。


次に持つところを作ります。

って無理だよ、どうやるんだよ。


はぁ、スプーンになれっとか言ったらできて…


出来た。木の枝がスプーンになった。


スキル?スキルを使った感覚はあるけど。

でも、そんなわけないか。

忘却スキルで木の枝をスプーンにできるわけないよね。


世の中は不思議な事だらけってことで考えるのはやめよう。


あー、でももしまだ謎の力で作れるならフォークとかも欲しいな。


フォーク、出ろ。

フォーク、出ろ。


やっぱりダメだ。

大人しく、スプーンでご飯食べよう。


そして、昼食が食べ終わり


うーん、というかどうしよっかな。


草原だけだった場所も終わって山とかも見えてきたけど

上に登るべきなのかな。今までは登り坂とかが辛いから避けてきたけど。


しょうがない、登ろう。今日はもう暗くなってきてるから登らないけどね。


あっ、そうそう。

ちなみにご飯は美味しくはなかった。

普通に焼いたお肉の方が美味しいと思うし、パンは思い出したくない味になっていた。


あたりも暗くなり始めた頃、ユウトの飲み水を確保するために行動しようとしていた。


水を探したいと思います。残り少ないからね。探し方は簡単で水の音があるところに行けば良いだけ。


耳を澄ませて、

ヒュー。ブーン。


風と虫の音しかしない。

とりあえず、虫について行こう。あいつらも水くらい飲むだろう。


そうして、軽い気持ちでついてった僕は少し後悔していた。

どこまで行くんですか、虫さん

結局、山の中に入ってきちゃったんですけど。


あっ、でも水だ。

ラッキー、洞窟もある。あそこで寝よう。


今日も一日が終わったな、目標は達成できなかったけど楽しかったから良い1日でした。


翌朝、目覚めると、


おぉ、綺麗。夜と朝の森はとても違うな

ただ、ちょっと移動しよう、ここは薄暗い。


んー、気持ち。やっぱり朝日を浴びると朝って感じがするな

おっ、馬車道がある。降るの楽で良かった


この時、僕は気づかなかった。


荷物を取りに戻ろう。


これからどうしよっかな、上から人が通りそうな道を探すか馬車道で下に降りるか。

あれ?なんか変なこと言ってる気がする。


そして僕は気づいた。


うゎ、恥ずかしい。馬車道は人が通る道だ。僕は馬鹿だな、恥ずかしい。


下に降りよう。


だけど、また究極の二択だ。右か左

どっちにも街はあるだろうけど着く時間と労力がとても違うはず。


そんなことを考えいる時に遠くから物音が聞こえた。


この音なんだろう。


あっ、馬車だ。


そして、馬を操っていた商人が話しかけてきた。


「お兄さん、こんなところで何やってるんですか?」


「街に向かっている」


「ここで半分ですよ。私たちはリエンに向かっているんですけど乗って行きますか、お金は払ってもらいますが」


「いくらだ?」


「うーん。残り半分なのとサービスもして銅貨2枚で」


「わかった。あと、どのくらいで着く?」


「2時間ほどで、後ろに乗ってください」


先客がいる、挨拶はしておこう。

「こんにちは」


「「こんにちは」」

「こんにちは」


お母さんと子供たち、後は1人寝ている人がいるな。


少し時間が経つと、子供が話しかけてきた。


「お兄さん。お兄さんは冒険者さんですか?」


「うん。いちようね」


「すごい、やっぱり冒険者さんなんですね。モンスターとも闘った事あるんですか」


「あるよ。この間はツノの付いた早くて跳び回るやつと闘ったよ」


凄いキラキラした目で見てくれる。小さい子供はやっぱり好きだな。


(止まれ!)


馬車に乗車してから1時間ほど経った頃、外から大きな怒号が聞こえた


「盗賊だな」


寝てる人が起きると同時に僕に言ってきた。


「お前さんは戦えるか?」


「少しは」


「じゃあ、2人ほど相手してくれ。

俺は残りの4人をやる」


「はい」


外に出ると本当に盗賊だった。そして、6人だった。


対人戦は初めてだな。

いつものようにやって勝てるのかな。

やってみるしかないか。


忘却(記、


いや、待って。この人たちの記憶を忘れさせてそれを取り戻せる保証がない。


だったら、


忘却(目標物)


これで、相手は何を攻撃しようとしてたか忘れる、そして混乱してくれる。


正義のパンチ!! 

「縄を」


「こっちにもくれ」


良かった、なんとかなった。

「もう大丈夫だよ」


「「うん」」


子供達もそこまで辛い思い出にはならなかったみたいで良かった。

もし、なってても忘れさせてあげてたけどね。


そのあと、

盗賊たちを騎士団本部に届けると、あの盗賊たちには懸賞金がかかっていた、全員で白金貨3枚。

僕は一枚、寝てる人は二枚貰ったんだけど一枚は親子にあげていた。


そして、そこで寝てる人とは別れた。


~後書き~


寝てる人はまた出てきます

敵か味方かはまだ決めてません

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