第9話 捨てる

嫌なもの、嫌いなことを捨てる。

捨て方がある。

次々に湧き上がってくる嫌悪感を捨てるのだ。

これは残そうとか、これは嫌いじゃないとか言い訳せず、嫌悪感と繋がっているもの全てを捨てる。

こだわらない。

捨てると、スーッとしたいい気持ちになる。

そこまで、捨て続ける。

特に心に深く刺さっているものは、なかなか消えないが、捨て続けると、二、三日後には楽になっている。

これを経験する。

頭で考えても、できない。

実感すること。

捨てると思った時に、生じる感覚に注目する。

その感覚を捉えて、持ち続ける。

心の中が嵐でも、その感覚を持ち続けていること。

それが、捨てるということ。

そして、嫌なものや嫌いなことへの思いが、いつの間にかなくなっていることに気づく。

その時、あるいは、もう少し先で、さらに気づく。

自分が、嫌なものや嫌いなことに出会わなくなっていることを。

捨てるということは、相手を攻撃することではない。

思わなくなることであり、結果として、出会わなくなることである。

嫌いと感じるものや人は、様々に姿を変えて、現れる。

だから、特定の対象だけを憎んでも、解決しない。

捨てることによって、出会わなくなれば、もう嫌悪感を感じることもない。

そのほうが楽になれる。

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