第10話 言い知れぬ不安

若い時の失敗は、大きい。

その失敗を糧に、大成功する人がいる一方、一生自分を責め続け、ダメになる人もいる。

どちらも偏っている。

大成功した人は、部下を責める独裁者になる。

ダメになる人は、自虐的となり、無気力に取り憑かれ、権力者に従うか、自らを滅ぼしてしまう。

どちらも、失敗の不安を抱えている。

日本という国そして国民も、1945年の敗戦をいまだに「終戦」と言っている。

経済的には大成功したのに、自虐的だ。

日本には、制度的に独裁者は現れない。

だから、自虐に走るしか道はない。

戦争を遂行した祖父・祖母の世代を責め、自分は権力者に盲従する。

一つはアメリカであり、もう一つは中国だ。

同じ事大主義者として、やたらに隣国を気にする者もいる。

どちらがより権力者に従っているかを競っている。

心の傷は深い。

この不安を払拭し、明るい未来に歩き出していける日は来るのだろうか。

心の傷を癒し、自分は大丈夫だと思えるようになること。

誰かの所為ではなく、自分の失敗として受け入れ、冷静に分析し、失敗の原因を知ること。

そして、二度と同じ失敗をしないと自分に確信を持てること。

そうならなければ、自分で歩けるようになる日は来ない。

まず、不安の存在を認め、不安を持っている自分を受け入れる。

自分は不安に思っているのだと認めること。

そこから、始めることだと思う。

不安を恐れ、不安に蓋をするのではなく、不安があることを受け入れる。

そこから、原因を探り、最終的には、不安の原因とともに不安感そのものを捨てる。

明るい未来は、その先にある。

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