第5話 納得の法

法律でも、慣習法でもない。

いわば、法則のようなもの。

お天道さんが見ているとか、世間に対して恥ずかしくないとか、そういう感覚のもの。

日本にはそれがあったし、今もあると思う。

「公」という言い方をすると、硬いし、重い。

人それぞれ解釈があって、言葉にすると様々だが、感覚的には共通するものがあると思う。

それが足止めになるし、道になる。

自分個人にとっては、どれほど大きな利益になろうとも、やらないという選択ができる根拠になる。

他の国々の人々とは違う、日本人の価値観。

日本で生まれ、歳を重なるごとに、身についていくもの。

だから、諸外国の人であっても、長く日本にすみ、日本人との交流を持つことで身についていくことができるもの。

言葉にすると、いろいろ。

だけど、いざという時に、その人の行動に出る感覚だと思う。

国ごとに違いはあれ、どれが優れているとか、劣っているとかは言えないけど、日本に生きていれば日本流になる。

それが好きだから、日本にいる。

嫌な人は、日本を去っていくことだろう。

血のつながりだけではない、共通の意識であり、価値観なのだ。

それが日本を形作っている。

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