第4話 漠然とした不安

若い頃にも聞いたことがあった。

漠然とした不安。

今も時に感じることがある。

大した理由もないのに、何かが起きているわけでもないのに、急に不安になる。

じっとしていられなくて、でも何をすればいいのか分からなくて、焦る。いろいろな想いが頭の中をぐるぐる回っている。

もちろん眠れない。布団の中で目を開けている。

次々に嫌な思い出が湧き上がってくる。しかし、そもそもはそれが原因じゃなかったはず。

嫌なことを思い出したから不安になったんじゃない。

仕事や人間関係で行き詰まったから、不安になったんじゃない。

一見、順調。それなのに、不安。

どうしたらいいんだろう。

何をすればいいんだろう。

家族や友人に話そうとしても、そもそも何が不安なのかさえ自分に分かっていないのだから、何て言えばいいのだろう。

困るよね。

あんまり自分を追い詰めたくないけど、少しずつ押しやられている気分。

嫌だなあ。

気分も落ち込むし、気分が悪いと何もかもが灰色に見えてくる。

いい気分って、一体どんな状態だったんだろうなんて、思ってしまう。

解決できないときは、じっとしているしかないのかな。

本も、テレビも、音楽も、映画も、色あせて見えている時って、気休めにはならないよね。

何もかも放り出してしまえればいいのに。

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