第8話 フィンディルさんらーぶらーぶ

 >しかし本作はそういう結末にはしませんでした。安吾は父親として向きあおうとしていたという結末を選んだのです。。(BYフィンディル)


 この展開は、わたくしの中の男性像が安吾一人におっかぶせられていたので、いやいや、世の中そうでない男性だっているよ、そんな奴ばっかりじゃないよ、と自分の心をなだめすかすように書いた部分でもあります。

 実際、一番最初に見た男性は、妻と大喧嘩しながらも子供を持ちました。わたくしはそこに希望を抱いたのです。

 男女の仲なんて、はたから見てパッとわかるものじゃないのだしさ、と。

 ちなみに、フィン感で最低と言われた安吾のプロポーズのセリフと、休日に負ぶいひもで赤ちゃんを背負って洗濯物を干していたのはわたくしの実父です。

 男尊女卑の封建時代では、珍しいことだったのですね。

 当時イクメンは「男のくせに、休日洗濯なんてしている」「土曜なのに働きもしないで(父の働き口は当時から土日休日でした)」と後ろ指をさされ、奥さんを外で働かせようもんなら白い目で見られたものです。

 母は専業主婦になりたかったらしいのですが……。

 それがかなわなかった恨みもあって、母はわたくしを無視し続けたのかもしれません。

 最近になって、母はストレスを感じると現実逃避をする癖があることを知りました。

 まあ、忙しいのですから、現実逃避くらいしたくもなりますよね。

 逃避された現実が、わたくしの存在なのですが。

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