第5話 まだまだつづくよどこまでも

 >本作には強くなることを迫られて強くなっていく桜子の姿が鮮明に描写されていると思います。精神的に秋田に頼って強くなることを助けてもらったわけでもないですし、本来ともに強くなるべき安吾はおよそ音信不通でいないも同然です。現実と絶望でフラフラになっていた桜子が、自分一人の力で決意を固めて心を強くし、出産を選んで立ち向かっていく姿が明確に壮絶に描かれています。

 それが望まぬ妊娠と女性の孤独という本作の題材をより力強く訴えているように思います。(BYフィンディル)


 桜子は実は秋田に(わたくしはえーきちさんに)精神的に頼って強くなることを助けてもらっていました。

 桜子が発した一番根底にある問いかけは「わたしは生きていてはいけないのでしょうか」(この桜子は殺さねばならないのか、とわたくしはえーきちさんに問いました)でした。

 秋田は(えーきちさんは)桜子が(わたくしが)『悩んでいるのだ』ということを受け止めてくれた。

 それだけで孤独感から解放されて、「産もう」(書こう)と思えたんです。

 自分は(わたくしは)独りではないんだ、と。

 勇気づけられたのです。

 そこは秋田の(えーきちさんの)人徳によるものです。


 区切ります。

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