第37話 宝箱を探せ!

ここは1k8畳のおっさんの住む賃貸マンションである。

おっさんが1人ブログを起こしているのだ。

季節も変わり暑くなってきたが、おっさんは夏も冬も家ではパンツ1丁である。


「それにしても貯めないようにしていたがブログネタが一気に貯まったな」


ブログネタが貯まったため、2週間を要してしまったのだ。


第81記事目 スキルレベルの上昇条件考察

第82記事目 ダンジョンの記録 ~31層から39層編~

第83記事目 ダンジョンの出入り口考察

第84記事目 ダンジョンと土魔法の可能性

第85記事目 ダンジョン40階ボス編

第86記事目 ダンジョンの記録 ~41層から49層編~

第87記事目 ダンジョン50階ボス編

第88記事目 Aランクモンスターの魔石に使用用途と価値の変動

第89記事目 ダンジョン講習会 41階から50階編


「41階から50階までの講習会はすごかったな。Bランク冒険者のクランリーダーが10人も来てたしな。1日これでつぶれたぜ」


ダンジョン攻略をする組としては、不意打ちも多く目印のない砂漠に苦戦していたのだ。地図を作ろうにもどこにいるのかさえ分からないのである。

Aランクモンスターの不意打ちでパーティーが崩壊するなどザラにあったのだ。

冒険者ギルドがBランク以上のクランリーダーに翌日という話で通知を出したところ10名も集まったのだ。

そこへ出口までの土壁を作り、出てくるモンスターの傾向と46階からモンスター構成の特徴、50階ボスまで丁寧に説明をしたのだ。

質問も多く飛び、ほぼ1日を説明に要したのであった。


「つーかやばいな。最近PVASの伸びが落ち着いてきたな。ダンジョンネタが多すぎたが。やはりロキ以外鬼にして、ロキを捕まえるイベントでもするかな」


PV:394141

AS:30200


「さて、50階層からAランクしか出てこないし、スキルはしっかりとっておくか。10000ポイントは残しておきたいな。何かに使うかもしれないしな」


・水魔法Lv4 1000ポイント

・力向上Lv4 1000ポイント

・耐久力向上Lv4 1000ポイント

・素早さ向上Lv4 1000ポイント

・幸運力向上Lv4 1000ポイント

・魔法耐性Lv4 1000ポイント

・魔力消費低減Lv2 1000ポイント

・魔力回復加速Lv2 1000ポイント

・取得経験値上昇(仲間)Lv2 10000ポイント

・幸運力支援魔法(仲間)Lv2 1000ポイント


Lv:30

AGE:35

RANK:B

HP:930/930

MP:960/960

STR:189

VIT:276

DEX:276

INT:915

LUC:291


アクティブ:火【4】、水【4】、風【4】、土【4】、回復【4】、治癒【4】

パッシブ:体力【4】、魔力【4】、力【4】、耐久力【4】、素早さ【4】、知力【4】、幸運力【3】、魔法耐性【4】、魔力消費低減【2】、魔力回復加速【2】、気配察知【1】

仲間:取得経験値上昇【2】、体力支援【2】、魔力支援【2】、力支援【2】、耐久力支援【2】、素早さ支援【2】、知力支援【2】、幸運力支援【2】


加護:検索神ククルの加護(中)


EXP:15810297


PV:394141

AS:11200


「さて異世界にいくか」


検索神サイトの扉アイコンをクリックする。


『ブログ記事の投稿が確認できました。異世界にいきますか はい いいえ』


おっさんは『はい』をクリックすると、ふっと目の前の風景がウガルダンジョン都市でおっさんが借りた賃貸の1軒屋に変わる。


ブログの疲れを癒すため深い眠りに着くのだ。

そして、翌日の朝である。

13人皆で囲んで食事をとるおっさんである。


「今日から50階にいきます。目標は下の階層までの入り口の発見と宝箱です。日程は10日です」


「「「はい」」」


戻ってきてから防具の準備もあり3日を要したのである。

10日に渡るダンジョン生活なので、皆思い思いに疲れを癒したのだ。

おっさんが作ったお風呂も好評であるのだ。

ダンジョン広場からワープゲートへ向かうおっさんら一行10人である。

何人かに見られたよう気がするおっさんである。

ワープゲートから50階に入る。

ソドンが盾を持てなくなるので、ダンジョンに入る前にも、仲間支援魔法は全てかけているのだ。


「では50階ボスをまずは倒します。前回同様1体は倒すのでもう1体は皆で倒してください」


「「「はい」」」


50階ボスの間に入る。


飛竜と真っ白なでかい鳥がいる。


「セピラスだ、霊鳥セピラスだ」


セリムが反応する。

有名なモンスターなのかと思うおっさんである。


(なるほど、これが王都の外套に勧められたセピラスか)


「ではいきます、パーフェクトストーム」


水魔法Lv4を試してみるおっさんである。

飛竜の上に発生した数十mの魔法陣から水流の竜巻が発生する。

2体を巻き込み、水は一気に真っ赤に染まるのである。

飛竜は力なく倒れる。

死んでいるようだ。

直撃を避けたセピラスが突っ込んでくる。

ソドンが、抑え動きを止める。

背後や横から一斉に攻撃をする一行である。

ものの数分で倒しきるのだ。


「では、魔石を回収して進みましょう」


(お、取得経験値上昇のレベル2の効果は4倍か。3倍から4倍に増えたぞ。魔力消費低減レベル2は予想通り消費量6割になったな)


経験値120万の火竜を元に計算したおっさんであった。

魔石2個のみ回収し、また来た道を戻り、51階に入るおっさんである。

そこは宮殿であった。

綺麗なシャンデリアが光を放ち神々しさをかもしだしているようだ。


「宮殿ですね」


ロキからも声が漏れる。


「そうですね、天井が壁で繋がっていないので、上から探す作戦は難しいようですね。地道に移動して探しましょう」


小部屋もしっかり見て回る一行である。


「そういえば56階まで踏破しているのであろう。既に宝箱はないのではないのか」


「いいえ、宝箱は2種類あって、1つは何度でも小部屋に出てくるそうです。もう1つは1度開けたらもう出てこないものもあるそうです。あと通路には宝箱はないらしいですよ」


「ほうほう、そうであったか」


ソドンからの質問に回答しながらタブレットの『地図』機能で小部屋を発見すると、見て回るおっさんである。

当然モンスターもやってくるのだ。


「ふむ、モンスターはどうもAランクが1体だけみたいですね。騎士や兵士っぽいものですね。遭遇もあまりしないみたいですね」


何体かAランクモンスターを倒しておっさんが口にする。


「そうみたいですね。1体なら何とか我々だけでもといったところでしょうか。正直敵の体が硬いので、さきほどのセピラスの方が楽でした」


鎧に身を守る敵が固く1体相手に15分近くかけているのだ。

それも数発魔法で敵の体力を削って仲間に倒させているおっさんであった。

小部屋を発見しながら、進んでいくおっさんである。

50階までの移動距離と同じ程度の時間が過ぎるのである。


「下までの出口が見当たりませんね」


「そうですね。もう少し待って見つからなかったら、どこかで休息しましょう」


(さて、どこで1泊するかな、通路も小部屋も敵がいるしな)


そしてさらに数時間経過する。


「もう遅いので先ほどの小部屋に戻って休みましょう」


「「「はい」」」


中の奥の方に入るおっさんである。


「では、ちょっとこの小部屋を休憩室に変えます」


「「「え?」」」


中に入ったことを確認すると、上空数mを残して土壁で小部屋の入口を埋めるおっさんである。

さらに地面も埋め始める。

一行を移動させながら、地面をどんどん埋めて高くしていくのだ。

酸素を通路から取り込む通気口と上空5m部分を残して、数十mある小部屋を埋めたのだ。


「ふむ、これでたぶんモンスターから襲われないと思いますが、2名ずつ夜番にしましょうか」


「なるほど、あい分かった」


だんだん、おっさん耐性が強くなってきたソドンである。

50階以降は、階層前の広間で休まないこともあり、一度に夜番2名はいる。

アヒムら従者にだけさせるのは負担が大きいという判断から、夜番も輪番制に変更したのだ。


「そういえば、ソドン」


「ぬ、なんであるか?」


「ソドンの回復魔法レベルは1です。できれば、敵に耐えながら回復魔法を自分にかけてください。回復魔法レベルを3にしてほしいのです」


スキルレベルの話は既にしているのだ。

回復魔法を範囲魔法にしてほしいと思うおっさんである。


「なるほど、あい分かった。魔力が減ったら教えてほしいである」


「そうですね、声をかけます」


アリッサの食事をしながら、51階層1日目が終わったのであった。

土壁で塞いだ小部屋にはモンスターが出てくることもなかった。

朝、通路にいないか確認してから、土壁を全て消したおっさんである。


翌日も移動をまだ移動していない部分を確認しながら、『地図』を埋めていくおっさんである。


「この先に下の階への出口があります」


52階へつながる出口を発見したのだ。

52階へ進むおっさんら一行である。


「52階も当然宮殿ですね」


そこは1階同様高さ30mの作りの宮殿が広がっている。

前進していくおっさんである。


「この階層は一方通行が多いですね。左に2体の敵がいます。警戒を」


「「「はい」」」


通路のとなりに2点の赤い点を発見するおっさんである。

前進するおっさんである。

なお、セリムは罠察知に、おっさんは『地図』に集中しているのだ。

そのまましばらく進む、おっさんである。


「先ほどの敵とはすれ違わないみたいですね。先に行きましょう」


「「「はい」」」


どんどん進んでいくおっさんらである。

52階は早く下の階への出口を発見したので、下の階に降りるのである。

そして、その日の移動を終了するのだ。


「52階はあっさりしていましたね」


「そうですね。下の階があれば積極的に降りていきましょう。1年という制限もあり、まだまだ先が長いので、降りれるなら降りる。小部屋があれば宝箱を探すでいきましょう」


そういう方針で進むことさらに3日経った。

ここは54階の小部屋である。

奥には宝箱が1つあるのだ。


「宝箱です!」


タブレットの『地図』機能で確認できるか、調べるおっさんである。


「できます、地図に表示できます」


「「「おおお!」」」


(よし、これで宝箱察知が楽になるぞ。たまにモンスターと切り替えながら宝箱を探すぞ)


おそるおそる近づいていくセリムである。


「ん、罠がある。ちょっと待って」


様子を見る一行である。

失敗してケガしないように回復魔法をかける準備をするおっさんであった。


20分後


「罠解除できたぞ。開けるぞ」


そういって宝箱を開ける。

中には1本の弓が入っていた。


「残念、弓みたいですね、これはコルネのものですかね。ちょっと今使っているものと比べてみてください」


どうやら今使っているものの方がいいとのことだ。

売却決定である。


5日の行程が終わったので、帰路に着くおっさんである。

53階まで踏破し54階の途中で引き返すのだ。

50階層から繰り返しながら、奥に進んでいくのである。

初宝箱を発見し、帰りは4日で帰路に着くおっさんら一行である。


拠点に9日ぶりに戻るおっさんら一行である。

拠点の玄関に見慣れない馬車が停まっている。

客でも来ているのかと思うおっさんである。

中に入ると、紳士服を身にまとった、白髪の老人が来客室にいる。

いつもの朝食を食べる打ち合わせ室とは別の、もう少し部屋が小さい来客用の部屋である。

セリム母が接客中であった。


「あれ、客人ですか?」


「これは、ヤマダ男爵様でいらっしゃいますか?お待ちしておりました」


紳士服を身にまとった、白髪の老人がおっさんに気付いて話しかけてくるのだ。


「はい、そうです。私に御用ですか?」


「そうです。私がウガル伯爵家に仕えて…」


会話をしているとセリムも戻ってくるのだ。

調理場に母がいつもいるため、拠点に戻ってきたら1階に行くセリムである。


「え?」


セリムが客人を見て息を飲み固まる。


「これは、セリムお坊ちゃま」


客人はセリムの知り合いのようであった。

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