第21話 おっさん、ダンジョンに入ってみた
ここは1k8畳の賃貸マンションの一室である。
おっさんは1人ブログを起こしていた。
「さて、今日はダンジョンだからな。そんなに下に行く予定はないができることはしておかないとな」
ダンジョン都市編
第58記事目 クラン結成してみた ~アフェリエイター~
第59記事目 ダンジョンと冒険者証 ~魔道具とは~
第60記事目 ウガルダンジョンについて ~資料室調査編~
第61記事目 ダンジョン手当 ~基本給だけが給与ではない~
第62記事目 魔道具屋に行ってみた ~魔石は電池~
「魔道具屋はどうも、ダンジョンや過去の遺跡から手に入ったものと、自分ら魔道具ギルドで作ったものの2種類があるみたいだな。古代文明か何かなのかな。そして魔石で動くと、魔石は消耗品だから、魔石の力を失うと魔道具の機能は失うとこういう感じか」
武器屋の後、魔道具に行ったことを思い出すおっさんである。
魔道具屋で一通り説明を受け、灯りを買ったおっさんである。
水の生成器なるものがあったのだが、水魔法で出そうと思ったので荷物になるので買うのは止めたのだ。
「水の生成器もあるのか、水魔法でたぶんいけると思うが、無理そうならまた考えるか」
記事を5つ上げたおっさんは、検索神サイトでASポイントの貯まり具合を確認するのだ。
PV:41169
AS:4000
「ASポイントかなりたまったな。1週間でもかなり貯まるようになったし、スキルを取っておくか、下層を目指すならスキルの検証も必要だしな。とりあえず魔力回復加速が外套とかさなるか検証が必要だな。あとは仲間のレベル上げと耐久力優先か。支援魔法は何かあったときのためにすべて取っておくか」
仲間専用スキル
・魔力回復加速Lv1 100ポイント
・取得経験値上昇(仲間)Lv1 1000ポイント
・体力支援魔法(仲間)Lv1 100ポイント
・魔力支援魔法(仲間)Lv1 100ポイント
・力支援魔法(仲間)Lv1 100ポイント
・耐久力支援魔法(仲間)Lv1 100ポイント
・素早さ支援魔法(仲間)Lv1 100ポイント
・知力支援魔法(仲間)Lv1 100ポイント
・幸運力支援魔法(仲間)Lv1 100ポイント
Lv:29
AGE:35
RANK:B
HP:600/600
MP:620/620
STR:122
VIT:178
DEX:178
INT:590
LUC:188
アクティブ:火【3】、水【3】、風【3】、土【3】、回復【3】、治癒【3】
パッシブ:体力【3】、魔力【3】、力【3】、耐久力【3】、素早さ【3】、知力【3】、幸運力【3】、魔法耐性【3】、魔力消費低減【1】、魔力回復加速【1】
仲間:取得経験値上昇【1】、体力支援【1】、魔力支援【1】、力支援【1】、耐久力支援【1】、素早さ支援【1】、知力支援【1】、幸運力支援【1】
加護:検索神ククルの加護(中)
EXP:10288927
PV:41169
AS:2200
「お、スキルが増えたって、ん?なんかスキルの表示がスッキリしているな。スキルも増えて、表示が整理されたのか?それとも仲間スキル取得したからかな」
アプリの更新で表示のスタイルが変わることもある程度に思うおっさんである。
「さて、異世界行くか」
『ブログ記事の投稿が確認できました。異世界にいきますか はい いいえ』
おっさんは『はい』をクリックすると、ふっと目の前の風景がウガルダンジョン都市でおっさんが借りた賃貸の1軒屋に変わる。
今は夜中である。
武器屋で槍と弓を買い、魔道具屋、食料品を買って帰り、夕食を囲みながら、明日のダンジョン攻略の打ち合わせをした。
その後、今日一日のことをブログネタのメモ帳に記録と整理したのであった。
「まだ寝ないのか?」
横で寝ているイリーナから声が掛かる。
イリーナは2日続けてベッドに潜り込んでくるが、神への報告準備をしているというおっさんにはあまり話しかけないようにしているようだ。
「ん、もう寝るところです」
明日のダンジョンに向けて眠りにつくのであった。
そして初ダンジョンの朝を迎える。
ロキから従者と侍女へダンジョンに入っている数日分の指示を出しているようだ。
今回のダンジョンは練習のため1泊程度で帰る予定だ。
今日は4人徒歩で出かける。
荷物はおっさんが多く持つのだ。
当然のごとく、ロキが反対をしたが、おっさんが持つ必要を理路整然と説明をしたのだ。
立ち位置もモンスターからの攻撃を受けにくい後方で、武器も必要とせず、両手も空いているからなのである。
ロキは渋々荷物運びを付けるまでの措置として納得したのであった。
おっさんはスキルも盛りまくりで、その辺の兵士並みに力があるので、どれくらい荷物運びが大変か、調べようとしたのであった。
ダンジョンの近くに住んでいるが、30分以上歩く必要がある。
ダンジョンの入り口は外から見えるわけではない。
どうも冒険者ギルドの資料室の情報では、モンスターがたまに、溢れるということで、外壁で囲まれているのだ。
ウガルダンジョン都市の中あるダンジョン外壁の門が見えてくる。
時刻は少し冒険者には遅めの8時過ぎである。
初心者ということもありピーク時を避けた形だ。
ダンジョン外壁の門で順番に並ぶおっさんである。
「全員、冒険者証を提示するように」
(ふむふむ、冒険者証は必ず持ってダンジョンに入るって冒険者ギルド言われたがチェックもされるのか。従者に荷物運びさせるなら、従者の冒険者証は必須だな)
冒険者証を提示して門をくぐると、そこはそこそこの広さの空間であった。
1辺2kmほどの真四角の広場で、奥に何やら膨らみのような造形があるので、あれがダンジョンなのだろうと。
しかし、なかなかの人口密度である。
座り込んでいる団体も見受けられる。
仲間の募集なのか、職業を連呼する団体も見受けられる。
(俺も、回復職を募集するために、1時間以上ゲーム内で叫んだことあったな。結局見つからなかったけどな!)
露店もいくつか立ち並び、モクモクと煙を上がっている。
(こういう露店の人たちは、ここでの営業許可証を取っているのかな)
日本でも露店を出すのに役場で申請するという話を聞いたことがあるおっさんである。
周りを見たわすと少年が何かを大声で売っている。
手には何か紙を持っている。
「地図を売っているようですね」
「うむ、そのようだな、買うのか?」
「はい、なるべく上層階は早めに抜けたいので売っていたら買いましょう」
昨晩の話し合いで、ダンジョンに関わる費用も住宅費も全て折半しようという話になった。
当然、武器や防具もである。
過度なおっさんの支出も抑えたいという思いも見え隠れしているのだ。
それまでは、イリーナ、ロキ、コルネはダンジョンの稼ぎはいらないということになったのだ。
話を出したのはロキである。
費用の管理は従者や侍女が行うことになったので、何にいくら使ったか報告する必要がある。
「すいません、地図はダンジョンの地図ですか?」
「うん?買うか?にいちゃん」
「はい、何階の地図を売ってるんですか?」
「1階から5階までだよ。1枚銀貨1枚だよ、にいちゃん」
「1階から5階まで全部ください。はい、銀貨5枚」
【ブログネタメモ帳】
・ダンジョン広場の経済圏
ボロボロの地図を少年から5枚貰うおっさんである。
大小部屋と通路で構成された迷宮のようだ。
(冒険者ギルドには地図がなかったな。こういう少年の仕事を取らないためかな。しかしこれはいい情報だな。中にはころころとダンジョンの構造が変わるゲームもあったが、地図があるってことは、道順は固定だろうしな)
「どうだ、地図は?」
「ボロボロだけどなんとなく分かりますね。たぶんこの印が下に降りる階段なんでしょう」
小学生のころやったゲームで、迷宮などの行き方をメモするために、鉛筆でチラシの裏に書いた地図並みの精度だと思うおっさんである。
(ふむ、ここでも仲間探しておくか)
タブレットを使い仲間を探してみる。
相変わらず、仲間はいないようだ。
「仲間いませんね」
「そうか、まあ今回は4人だな」
(ふむ、周りは数名から10名を超えるグループがあるな。活動する階層でも人数違うんだろうな。ってあれ台車を持ってるグループ結構あるな。持ち込み可能なのか?なるほど一度潜れば一週間以上水や食料、矢や替えの武器も必要なら台車くらいないと運べないと、回収した素材もどうすんだろうって思ってたわ)
リアカーみたいな台車を持っている複数のグループを確認するおっさんである。
馬車はないので、馬車の持ち込みはできないようだ。
今回は2泊分程度の食料を持ち込み、1泊程度で戻ろうと思っているが、今後10階層目指し、次のワープゲート攻略する場合は考えないといけないなと思うのである。
中には数台の台車による荷物運びだけで5名以上いる30名くらいの団体も見受けられる。
「はい、ダンジョンの中に入りましょう」
奥の方に土色のかまくらみたいな大きな膨らみがある。
(あれがダンジョンの入り口か。入口の大きさは10mくらいか。素材の持ち出しには十分な大きさだな)
その前に行列があるので順番に並ぶおっさんら一行である。
かまくらのような膨らみにどんどん近づいていくと、どうもダンジョンに入る行列は中まで続いているようだ。
行列に付いて行き、かまくらの入り口中まで進んでいく。
(ほうほう、階段ではなくスロープになっているのか。バリアフリーだな)
そんなことを考えて列に並んでいると、地下1階の部分であろうか、行く先がワープゲートになっているようだ。
淡く光る青い半径10mくらいの魔法陣が見えてくる。
「10階」
「10階」
「20階」
「10階」
「30階」
「10階」
「10階」
グループごとに魔法陣に入り、1人がそう叫ぶとグループの皆がその場から消えていく。
(ほうほう、ダンジョンの階層選択は音声認証か。皆が奥に行ける最下層に行くしかできないないと不便だなと思ってたが、ワープゲートはなかなかの機能だな)
今回は1階から入るので、広間の中央に設置されたワープゲートを回り込むおっさんである。
他にも何組かワープゲートに入らないようグループもいるようだ。
おっさんらは入口と反対側にある、入口に足を運ぶのであった。
先ほどからタブレットの『メモ』機能と『地図』機能を交互に見ながら、記録しながら、フィールドの変化を確認するおっさんである。
(ふむふむ、地図が入口抜けたら表示が変わったな。この感じだとこの部屋もダンジョンの1階という認識か)
ワープゲートの間を抜けたおっさんら一行である。
「ふむ、少年から買った地図はまあまあの性能のようですね」
半径50mの範囲まで表示された地図を見ながら、少年からもらった地図と見比べるおっさんである。
「ん?何を見比べているんだ」
「タブレットに表示された地図です」
「地図だと?」
タブレットの『地図』機能については説明をしていないおっさんである。
おっさんは『仲間』と『ステータス』くらいしか機能について説明していないのだ
「このタブレットにある神に与えられた機能の1つです。地図の表示はしてくれるようですね」
難度の高いダンジョン攻略ゲームはたまに地図機能がなかったなと思いだすおっさんである。
「神に与えられた機能か。聞いてもいいのか?」
「そうですね。簡単に説明をすると、一定の範囲内で一度行った道順を記録し、倒したことあるモンスターを画面に表示することができます。ですので、道案内はします。あと索敵もしますが、未経験のモンスターは表示されませんので警戒は怠らないでください」
さすがにこれから、道案内と索敵については説明をしようと思っていたおっさんである。
話を聞いて驚愕をする3人である。
簡単におっさんは話をしているが、道も記録し、索敵も可能とは、ダンジョンで攻略の難度が全然違うことは3人のだれもが理解できるのだ。
息を飲みなかなか次の言葉がでないようだ。
「もうなんて顔をしてるんですか?」
「いや、そんなことが可能なのかと思ってな。世界の構造を記録するってことだろ」
「はい。だから言ってるじゃないですか」
「何をだ?」
「必ずダンジョンは踏破するって」
ブサイクなおっさんは決め顔でそういった。
3人はなぜこんなにおっさんに自信があったのか少し理解ができたのであった。
おっさんのダンジョン攻略が始まろうとしているのであった。
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