過去 少女が見た光
その日流れ星を見た。
それは時刻が十二時を過ぎたころ、お父様の言いつけを破って一人で庭に出てエンガワというものに腰を掛ける。お父様が東の島国に伝わる家の造りを持ち込んだらしい。私はこれが好きだ。
ここで過ごしてボーっとしていたら。突如、夜空に白い光が一線に空を裂いた。あまりに眩い光に腕で目を覆い隠した。
光が比較的収まった後、それでも目で捕捉しながら空を見ると、線が一つの点に成り、地へと落下を開始していた。
私はそれから目を離せなかった。
それが私の敷地に落下してくるのをただ見ていた。
だが、突如としてその光に赤いノイズが混ざり込んだ。途端に光は落下を止め、空中に停止した。
意識が遠のく・・・・・・・
「あら、なぜここに?いつの間にここへ来ていたのかしら」
朝、目を覚ませば私はなぜかエンガワへと来ていた。
エンガワというのはお父様が東の島国に伝わる家の造りを持ち込んだらしい。
ん?何か足元にある?
ヒトだ。そこには人がいた。この国では珍しい黒髪の少年。
見たこともない黒い服を着ているわ。
ボタンが一つ、二つ……五つ。
ボタンに文字が書いてあるけれど、、、、これは確か東の島国の文字だわ。
「読み方は確か、、、えーっと……タカイだったかしらね?」
そこで少年が目を覚ました。
「ん、んぅ。ここは、、、」
「あら目が覚めたのね。あなた、ここが誰の敷地か分かっていますの?」
「……いや、よくわから、ない。ここはどこで君は誰なんだ?」
ふーん。私の敷地を知らないと。なら別の国から来たのかしら。
「聞く前に名乗るのが普通だと思いますけれど」
「ああ、そうか。僕の名前は、、、なんだっけ?」
「記憶喪失ですの?」
「そう、かもしれない」
これは面白いですわ!
「お嬢様!?こんなところに居たのですね、、、。んん!?その少年は誰ですか!?」
あら、面倒な者が来たわね。
朝起きたら突然いた少年なんて言ったら、どこかに放逐されちゃうかしら。
こんな面白い人、手放して堪るもんですか!
「私の友人でしてよ」
「ちょっとアンタ!?」
きっとこれから毎日楽しくなるわね!
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