第22話 王立魔法騎士学園受験①

◇ ◇ ◇





時は流れ、3年が経った。

あれから冒険者活動をメインにアルバート領のギルドでいろいろやってたらS2ランクに上がりました。

他のことで言えば、家でのマリーによる教育が最近終わりました!

もうね!嬉しすぎて涙でちゃう!

この4日間の試験が終わった瞬間のような解放感!最高!

そして1番のビッグイベントと言えば、今年から学園生活が始まるのだ!

異世界に行ったらやってみたいことランキングトップ3には入ると思うあの学園生活だぞ!

それに伴って拠点をまた王都に変えることになる。

ちなみに狙ってる学園は王国一の名門校である王立魔法騎士学園というところだ。

この学園は毎年、倍率が10数倍にも膨れ上がる超人気校なのである。

なにせ初代国王が設立した学園らしいからね。

そりゃ、卒業すれば出世必至と言われるほどの学園にまでなるよ。

ちなみに僕の他に、サシャや第四王子であるカイン、同じ辺境伯家出身であるランドールなど、僕の知っている令息令嬢なども受験を受けることになっている。

そして、現在。

力のセーブをどの程度までするかなやんでいるところだった。


「うーん、どのくらいまで下げればいいんだろ」


「いかがされましたか?」


「いや、学園ではちょっと力を抑えようかなと」


「今更ですか?」


「今更です」


「であれば、いつも通りでよいのではないのでしょうか」


このいつも通りとは、冒険者活動をしているときにあまりにも手応えが感じられなかったのでギリギリ竜種とやりあえるかな?ってぐらいまでセーブしたときのことを言っている。


「それは強すぎない?」


「そうでも無いと思いますが。実際、エル様以外に竜種と一人で互角に戦えると予測される方はいますから」


「だれ?」


「西のルドール辺境伯家のご令息であるランドール・フォン・ルドール様」


「ドールか!」


「次に南のレウス辺境伯家のご令嬢であるローズ・フォン・レウス様」


「ご令嬢、か…、女子でも竜と渡り合えるのはこの世界が異常なのかな…」


「最後に北方貴族の大貴族、ローファウト公爵家のご令息であるリヴェル・フォン・ローファウト様」


「……"氷の君主"か」


「エル様と同等レベルで名が広まっている方ですね」


「北側にある森で熊の魔物、しかもS3ランクに到達する程の魔物を一人で討伐、それをいいことに近くを拠点とした盗賊合計50数名をたったの1人で制圧。頭もキレて、武にも秀でている神童」


「エル様には遠く及びませんが」


「負ける気はしないけどね。と、脱線したな。でも、それだけ出来る人がいるならこのままでいい気がしてきたな」


ちなみに、全力が10割としたら今は3割を解放している。


「早く会ってみたいな。氷の君主」





〜1週間後〜





あれから1週間が経ち、今現在受験するために王立魔法騎士学園に向かっている。


「はぁ、意外と緊張するもんだね」


「エル様なら大丈夫です。なにせ私が教えたのですから」


「たしかに…、合格しなかったらあの地獄を耐え抜いた僕が報われないよ」


軽くお喋りしていると馬車が止まった。

馬車から降りると、そこにはとてつもなく大きい校舎が目に映った。


「すごい…」


「いってらっしゃいませ。エル様」


「ああ、…いってくる」


校門を通り、周りを見ると受験しにきたであろう子供たちがうじゃうじゃいた。


「あっ!エルくん!」


「サシャ!おはよう」


「おはよう!すごい人の数だね」


「うん。この中から半分以上落ちるって考えると、少し不安になるな」


「うぅ、私もだんだん不安になってきたかも…」


「絶対、合格しようね」


「うん!」


あ〜、癒される〜。と、そこで


「今から王立魔法騎士学園の試験を始める!!!各自、番号札を持っていると思うがその番号によって試験を受ける順番が変わる!!!今から呼ばれた番号のものは、速やかに移動を開始せよ!!!」


次々に番号が呼ばれていく。

そして、自分の番号が呼ばれ列に並ぶ。

どうやら、A、B、C、D、E、Fに分かれたようだ。

ちなみに僕はAで、大体2、30人程いる。


「それでは、今から各コース担当の人に進めてもらう!!!」


「はーい、Aコースの人ちゅーもーく!私がAコースの担当になったテスタよ!よろしくね!ということで、今から皆は試験を受けるわけなんだけどここには3つの試験があるのは知ってるね!その3つがコースによって順番が変わるの!Aコースの君たちは、座学、実技、実技の順番だよ!てことで今から試験会場に向かいます!くれぐれも迷子になったりしないように!」


「「「「「「はい」」」」」」


テスタさんの後ろをついていく。

そして、着いたとこは1つの教室だった。


「はい!じゃあ適当なところに座って座って」


この人の話聞いてたら気が緩むなぁ、など考えながら適当な場所に座る。


「全員座ったね。じゃあ、今から試験用紙を配るから静かにしててね」


テスタさんが配布を終える。


「じゃあ、これから座学の試験を始めます!試験時間は60分です!それでは、始め!」


僕は、試験用紙を裏返してざっと問題を見通す。


「…うん、いけそうだな」


そう呟いて、スキル【高速思考】【並列思考】そして、【無我境地】を使用した。

この【無我境地】は、あるひとつのことに対して極度の集中状態、簡単に言うとゾーンに入った感覚になるスキルだ。

これで、60分間の試験中は集中が途切れることはない…、と思っていたのだが…


「たったの10分で終わってしまった…」


50分も持て余してしまったのだ。

しかも、見直し込みでだ。

このスキル3つを使うのは過剰戦力だったようだ。

しかたなく、試験用紙を裏返して50分待とうと思って覚悟したとき、テスタさんから声をかけられた。


「まだ始まったばかりだよ?諦めないで!」


どうやら、開始10分で試験放棄したと思われたようだ。


「いや、もう終わったので…」


「え!?」


そう言って、試験用紙を見られる。


「うそ、ホントに全部終わってる…」


試験用紙と僕の顔をちらちらと交互に見る。


「……あと50分、暇だろうけど待っててね…」


苦笑いでそう言われた。





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読んでいただきありがとうございます!


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たぶん、作品名で検索すれば出てくるのではと思います。


5000PVありがとうございます!


次の話もお楽しみください。



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