第9話 お披露目会前日の戦い

「うむ。今日は息子、三男のエルをつれてきた。今日から面倒を見てやってくれ」


「三男のアリエル・フォン・アルバートです。いろいろと迷惑をおかけするかもしれませんがこれからもよろしくお願いします」


「これはこれは、ご丁寧に。私はこの屋敷の執事を任されております、セバスと申します」


「メイド長を任されております、ライラでございます」


「んー、なんかライラって誰かに似てるね。.....あ、マリーだ!すごくマリーに似てるよ!」


「マリーとは、マリアのことでしょうか」


「うん、僕の専属メイドでいつもお世話になってるんだよね」


「マリアは、私の妹でございます。何かいたらない点がありましたら、なんなりと私におっしゃってください。しっかりと調きょ──いえ、更生いたしますので」


今なんか物騒な単語が聞こえたような.....


「勘違いでございます」


「心を読まれた!?」


まさか人間に神様と同じ能力を使うことが出来る人がいるなんて.......恐るべしマリーのお姉さん。


「皆様方、長旅でお疲れでしょう。今日はごゆっくり、お休み下さい」


「そうさせてもらおう。エルもしっかり休んでおけ。明日は服選びだからな。.....エルちょっとこっちこい」


「?なんですか」


「明日は覚悟しておけよ、想像以上に地獄になるぞ。そのためにもしっかり休んでおけ、いいな?」


「は、はい...」


.......いや怖すぎるんだけど、そんなの聞きたくなかったよ。


「なら、お風呂早めに入らせてもらうわね?明日、エルに着させる服を見ておかなくっちゃ!」


前日でこのテンション.....明日オレどーなってんのかな.............


〜翌日〜


「さあエルッ、明日着ていく服を選ぶわよッ!私が満足するまで寝かせないわよッ!」


え、これって夜まで続くの!?うそだよね、冗談だよね!?


「ライラッ」


「はい」


ガラガラガラ.....


「.......」


.....どこからそんな量の服を持ってきたんだよ。...まさかこれ全部試着される気じゃないよね?


「とりあえずエル、これ全部着てみなさい?」


...............................終わった


◇ ◇ ◇


「よし、そろそろ行くぞ。...エル、よく似合っている」


「当たり前でしょう?私が選んだ服なんだから。それでも.....よく似合っているわ、エル」


「ありがとう、父さん、母さん」


うん、そうじゃないと困るよ。まぁ、まだあの地獄の見返りにしては足りないけど。もう地獄すぎてスキルまで手に入れたもんね。最初に大賢者が──スキル【忍耐】を取得しました──とか言ってたしね。しかも、そこからさらに進化して.....


スキル:【無我境地Ex(New)】


めちゃくちゃ凄そうなやつになったんだよね。 そんなことを考えていると王城に到着した。


「お、大きいッ!」


「そりゃ、国の象徴なんだ。大きくて当然だ」


「身分証の提示を」


「アルバート辺境伯家だ」


「...うむ、お通しせよッ」


城の中に入るとメイドの人が案内を始める。ある扉の前でとまると、


「こちらでございます」


と、扉を開ける。中には、他の貴族と思われる人たちがいた。仲のいい人同士で雑談していたり、他の貴族とパイプを作っておこうと躍起になっている人がいたりと、いろんな人がいる。そんな中...


「アルベルト卿よ!元気にしておったか!」


「これはこれは、ガリア卿ではないか!」


「ほれ、ドールも挨拶せい。同じ辺境伯位のアルバート辺境伯だ」


「ルドール辺境伯家五男、ランドール・フォン・ルドールです!よろしくお願いします!」


「ハッハッハ!ガリア卿と似て元気ですな!エルも挨拶しなさい」


「アルバート辺境伯家三男、アリエル・フォン・アルバートです。こちらこそよろしくお願い致します」


「これまた礼儀正しい子供じゃな!お主のとこの子供は個性豊かじゃからな、この子にも何かあるのではないか?」


「ハッハッハ、間違いない!ですがこいつは別格ですぞ。なにせこの年で私より強い」


「それは誠か!?...またとんでもない子を連れて来おって」


「父さん、そんなに言いふらさないでよ」


「大丈夫だ!どうせお前の強さは、すぐにバレる。それに、ガリア卿は信用出来る貴族の一人だからな」


「そうですか。ならいいんで「アリエル殿!これからよろしく頼む!」うわぁ、びっくりしたぁ。うん、よろしく!まだ同年代に一人しか知っている人がいないからこんなに早く友達ができて嬉しいよ」


「ガッハッハッ、こう見えてもドールも結構やるぞ?まだまだ俺には及ばんがなッ」


「うちの主人が騒がしくてごめんなさいね」


「いえいえ、うちも似たようなものなので」


「苦労しますね」


「まったくです」


それからガリア卿が「では、また今度な!」と去っていった。


「アルベルトー、二日ぶりだね」


「クラウドか、そうだな。そっちは、いろいろと絡まれるのではないか?」


「まあね、でも縁切るよ?って言ったらみんな離れていったからそうでもないよ」


「それはまた、凶悪だな」


「(クラウドさん、つよ)」


「サシャ、僕とミリィはアルベルトたちと話してるからエルくんと話してて。エルくん、エスコートしてあげなよ?」


「え、あ、はい...」


そう言い残すと喋りながら離れていった。


「え、エルくん。その、服どうかな?に、似合ってる?」


「うん!とても似合ってて可愛いよ、この前会った君とは別人みたい」


「ボシュッ...」


「えッ、ちょっと、サシャ!?大丈夫!?」


「え、えぇ大丈夫よ...ちょっと重い重い攻撃をくらっただけだから」


「それ大丈夫じゃないよね!?」


そんなやりとりをしていると...


「おい、貴様。その汚らわしい手でサシャ様に触れるな。」


はい来ましたーーーー






────────────────────


読んで頂きありがとうございます。6話ぐらいに書いた通りたぶんそろそろペースダウンしてくると思います。まぁ、気長に待って貰えたらと思っています。

やっとストーリーらしい展開を書けてきたのでちょっとワクワクしてます!


これからも続きをたのしんでいたたけたらと思います!

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