第3話 祝福の儀
───4年後───
あれから4年がたった。7歳になった俺は、ついに祝福の儀を受けることが出来る。
で、今祝福の儀が行われる教会に馬車で向かっている途中だ。
「エル兄様ッ、やっと祝福の儀を受けることが出来るのですね!」
「そうだね。前からずっと受けたかったからすごく嬉しいよ」
「俺の息子なんだ。すごい結果になるかもな、ハッハッハッ!」
「ええそうね。なんたって私たちの子ですも
の。それにエルは子供なのに、すごい賢いものね!」
両親からの期待がえげつないな……まぁ、ステータスなら俺はいつでも見れるから正直行かなくてもいいけどね。けどメリットもある。それは...固有スキルが貰えるのだ!!
固有スキルというのは、1人1個祝福の儀を受けると、必ずそれ以上もそれ以下もなく本当に平等に貰えるものだ。俺は、既に持ってるじゃないかって? 俺は例外だろ、転生者だし。ドヤっ...はい。話を戻そう。
もちろん固有スキルにも、役に立つスキルと役に立たないスキルを貰うことがあり、役に立たないスキルを貰えば、一部の貴族やいじめっ子などに目をつけられることがある。ホントに一部たけど。
逆にすごい固有スキルを貰うことだってもちろんある。俺が調べた範囲でだが、1番当たりだと思うスキルがあった。そのスキルは【全ステータス100倍UP】というものだ。そんなチートスキル与えていいの? とか思うけど、基本能力がチートな俺が言っても説得力0なんだよなぁ。
と、そんなことを考えていたらアルバート辺境伯領にある教会についた。
「ようこそ、おいで下さりました。もうすぐ祝福の儀が始まりますので、列にお並び下さい」
「うむ、今回もよろしく頼む」
そういうと、俺たちは中に入りすぐ別れた。子供の列があったのでそこに並ぼうとしたが、領主の息子である俺は最後に行うらしく、最後尾へと並ばされた。
「俺は18番目か」
「今から祝福の儀を始めます。それでは、先頭の方から1人ずつ段の上に来てください」
すると1人づつ段に上り教主がなんかしている。
と、次の瞬間、淡い光がでて「終わりました。次の方」と言って次々に終わらせていく。
そして、俺の番がきたので言われた通りに俺も段に上る。
「神よ、この者に祝福を与えたまえ」
と教主が唱えた瞬間...
「うわっ、まぶしい!」
「こ、これは、...この神々しい光は!!」
その一言を最後に意識がスゥーーーーと遠のいた……気がする。そして目を開けてみる。
「ここ、前にも見たことがあるな」
「フォッフォッフォ、久しぶりじゃの、優斗くん。いや、今はアリエル君、じゃったな」
「それ言いたかっただけでしょ」
「べっ、別にそ、そんなことはないぞい!」
図星かよ。ちなみに"優斗"とは、前世の名前だ。
「ま、まぁそんなことより今回呼んだのは固有スキルのことじゃ」
無理やり話変えやがった。ま、正直こっちの話のが興味あるしいいか。
「固定スキルがなに? もしかしてもう1個持ってるからってあげないとかないよね?」
「そのことなんじゃが〜……「ないよね?」む、むぅー、2つ渡すと儂がいろいろ言われるんじゃがのー」
「いやあんた1番偉いだろ、なんとか言いくるめろよ」
「お主、それ貰う側の態度じゃなかろう……で、ではお主には、【神気】というのをやろう。これで言い訳ができるからの……」
「どういうスキルなんだ?」
「武術系統スキルの【気術】というものは、知っておろう。それの、最上位互換で神や神になりうる存在ならば誰でも持っておる。だからお主は神になりうる存在だと他の者にもそういえばなにも言ってこないはずじゃ。儂もキレものじゃの〜ハッハッハ!」
「え、それやばくない? てことは、そこら辺のスキルとは、比べ物にならないくらい強力なんじゃないか?」
「そうじゃの、扱い方を気をつけた方がいいの。もし試したいのであれば誰も近寄って来ないところでかつ影響の少ない場所でするのが賢明じゃの」
「は、はは……了解でーす」
はぁ、これでさらにチート化が加速するな。
「それじゃあ、またのー」
意識が戻って、強い光が収まっていく。
「きっ、君、スキルは何を貰ったんだ!?」
と、教主が勢いよく迫ってきたので1歩後ずさる。
「教主っ、さすがのお主でも許されざる行為だぞ。気になるのは分かるが、自分の責務を果たさないこととは、関係のないことだ」
「ッ……申し訳ございません。領主様。取り乱してしまいました」
父がそういうと、渋々といった表情で引き下がった。祝福の儀を終えた俺は家族の元に戻った。
「それよりも父さん、今の光はなにか関係があるの?」
「うむ、あれは"奇跡の光"と呼ばれていてな。歴史上、最強格の固有スキルを貰っているもの達は、全員、あのような光を放った後に
貰っているそうだ。その為、奇跡の光と呼ばれている。それにしても、さすが俺たちの自慢の子だな!」
「ハハハ、いい結果で終わってよかったよ」
「あとアリエル、気になると思うがステータスは、家に帰るまで見せなくていい。自分の個人情報は、命と同じぐらい大切なものだ。どこのだれかも知らんやつに見られたりしたらろくでもないことになるぞ」
「うん。父さんの言うとおりにするよ」
そう言って馬車に乗り込む。
「やっぱりお兄様はすごいですっ!」
と言って寄ってくる妹は癒しだった。
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喋っている時と頭のなかで考えている時じゃなんか喋り方や態度が違うなって思うかもしれないですが、主人公のアリエル、かなり猫被ってます。
一応顔はイケメンの設定なので、なんならとことんイケメンやってやろーじゃねーかっ! と思って喋り方や接し方は、僕のイケメンのイメージで書いてます。違和感あったら許して下さい(笑)。
ほかに誤字や設定的におかしいとおもったとこあったらバンバン感想に書いてください!
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