第2話 疲労困憊

 私は昨今の大学生活と急速に発展した孤独に精神を苛まれ、今日大学の講義を休んでしまった。四限目の事である。私は寝坊しないようにと予め一限目の講義は履修登録の際に選択しなかった。従ってどの平日も二限からの講義になる。今日もその例に洩れず二限から村上春樹の小説読解講義に参加した。私は二か月前前後から頻尿で泌尿器科にも行って薬を処方されたのだが一向に効き目がない。まるで効力無しだ。毎朝飲んでいるのに。だから私は肛門に2,3㎝程度指まで突っ込まれた診察にほとほと嫌気が指して次からは泌尿器科に行かない事にした。大学の講義中に催尿するのは辛酸だが季節的なものかも知れないので上手く共存していく事にする。それが茫漠たる現実を生き延びる処世術のメンタリティだと存ずる。閑話休題だ。私は二限の講義を終えると、そのまま教室を移動せず昼食のおにぎりを三個食べた。あまり食欲がなかったのだがとりあえずの貯蓄としてそれらを摂取した。そして保健室に行ってベッドで横になろうと思ったので保健室に行くと突拍子もない事にコロナ渦中だから感染経路の断絶という事でベッドが悉く使用不可になっていたらしい。そこで保健室の先生に部屋の前のソファに座っているとどうだと勘案されたのでそうした。しかし一切皆苦でもう死骸の如く座っているしかなかった矢先、先生(女性なので彼女だが)から無理せずしんどいなら帰った方が良いとの教唆を得た。私はブログを更新しており、精神的な不調をきたしている事を額面通りに書いていたのでそれを耽読し、愛読している私の友人からマジで講義が苦痛なら休んだ方が良いと言われた。休むのも戦略だと、りょうがは色んなものに立ち向かってるからしんどくなりやすいと思う、とも言及された。私は彼らに背中を押される心持で背水の陣ながら家路に向かった。そして帰宅すると大学のユニパで大学の教員に持病が悪化したので休みます、配慮お願いします、との簡単明瞭な文言を美辞麗句抜きに、素朴に伝えた。そしてしばらくぼーっと携帯を暗室で弄ったり、パソコンで音楽を聴いたりしてまったりと過ごしていた。少し体調が小康化したのでブログも更新した。それは抱負だった。これからの作家、学者、画家、音楽家としてのフリーランスの私の理想像に対する思念を赤裸々に綴ったものだった。面目躍如、私の文才の不安定さか、発達遅滞のせいか、ブログが近日中々いいねをされないがそれは私の精神が混乱し、まともな文章が書けなくなったせいではないかと疑念を私は呈する。この様相では後期の全単位取得という願望成就にも憂き目が生じるかもしれない。しかし私はしたたかに生きるしかない。私をしたたかたらしめるのは畢竟愛があるからだ。私は東奔西走する事を辞めない。私の夢が私の一挙一動を否応なしに人間らしく無理のないもの、そして強靭なものへと変貌させるのだ。しかし私小説なら私はまだ食指が動くが、他の荒唐無稽な箱庭的有象無象の作品を書く意欲が私は優れない。仄聞するところによるとその創造力が芸術家の総本山らしいがそんな思想は取るに足らない。私は新たな潮流の先導者、先駆者になり影響の与えうるほぼ全ての分野で革命家へと転じたい。危険思想を一つも持たない事、それこそがとりもなおさず危険思想なのだ。我々は知覚を攪乱されうる事が政府や集団によって往々にして起こり得る。その得てして起こり得る催眠の如き事象を前提として生命活動がある。多種多様な人生形式があるだろう。鮮明な物、皮相な物、絶望的な物、幸福な物、など枚挙に暇がない。そんな中で確からしいものはあっても確かなものは科学的数学的な物を度外視して他にない。だから人はその埒外にあるもの、見るもの全てを誤解する。矮小な存在、それこそが脆弱性と甚大な強度を併せ持つ人間としての宿命なのだ。これが愚にもつかない言辞に思えるだろうか、それならばそれで私は黙認しよう。人生の副産物としてはまず第一に価値観、第二に偏見が列挙出来る。それらは我々の重要かつマッチ箱のように危惧するべきものである。さて前座が過剰な水準にまで至らせてしまったか。ここで私のブログを手記のように手籠めに更新を継続しているブログの一部を晒そう。無論露呈するからにはこの独白に直結した内容になっている。さて、御開帳である。

私は作家になる為の活動を怒涛の勢いで一挙にしている。ブログでも兼用だが自分の作品を美辞麗句なども備え完成させる事を目下の目標としている。私は今日大学の講義を受けて講義を理論的に可能な限りノートに板書をトレースした。それでもしたたかに生きようと思ったが、三限が空隙なのでそこが割ともどかしく、四限まで待機出来ず、痺れを切らして帰って来た。その事例から突如として疲労困憊に至らせる事を知った。私の今の脳内は秩序整然としてはいない。非常に支離滅裂で大学一年の頃の論文作成の教員から叱咤を想起させる。近代において私たちの生活は大きく変遷した。在宅ワークも日本では海外程普及していないが一応職種として存在している。私は大学を早退して家に自らを還元した。帰着すると即座に大谷大学のユニパのQ&Aで「病気の悪化で休みます。配慮お願いします」と伝達しておいた。私は様々な目標を堅持している。シンガーソングライター、作家、画家、学者、ブログ作成に私は弛みなく立ち向かっており、気宇壮大な目標、謂わば偉人になりたいという願望成就に向けての意気込みを語ると同時に大きなうねりを伴って、自分の威風堂々とした気風を表現する事を辞する事がない。これまでも、これからも私は唯一無二の存在感を顕示し、生きていきたい。ある意味それはカリスマ性とでも換言出来るものなのかも知れない。私はエロスを忘却する事もしない。私はこの21世紀の寵児になりたい。どのようにしても何かに寵愛される人格を手に入れたい。臆面もなく、私は矢面に立って、口先だけを動かし言葉の曲芸を極め続けるのである。私は今は大学三年だ。従って来年は就職活動に傾倒しなければならないという強迫観念にも駆られ、東奔西走している。その熱情の奔流には、無論放埓な意味も込められている。私はハードボイルドで、また同時に極めてエゴイスティックなのだ。私はその事を言葉や表現技法を変え絶えず主張してきた。その一挙手一投足には間違いなく何か生きている内に自分の鏤められた残滓を残したいと考え始めている。私はまるで狂気の一説のような事を行っているのかも知れない。ピンクフロイドの狂気である。ブレインダメージの段階だ。ロジャーウォーターズのリリシスト的側面に私は強い感慨と独特の言葉に対する溺愛を感じた。その言葉に惑溺した言辞には英語ながら密度の非常に高い知性を感じた。そして今回の記事のタイトルはブレインダメージにしようと即興で発想した。日本語で脳挫傷である。度々、再三再四言葉にしていたように私は身長を気にしている。しかしこれからはもう気にしない事にしたい。というのも何番煎じだろうか。そういうのは無意識的に喪失していくのだと考えた。劣等コンプレックスのようなアドラーの言葉にも提唱されているように私は自分の身体に対し遣る瀬無さを感じている。


  


 まあ読者諸氏は気にしないでくれ。それは私の一身上の問題であり、私のブログなどの作風に深い影を落とす事はこれから先、多分ない。私は欣喜雀躍とし、明日の大学に備え静養したい。屈強でない私の肉体はまるで矮小に思える事もないではないが、私はとかく生きる事を辞退しないのである。その源流には母への愛、祖父母への愛、友への愛など愛こそが全てだとも思える動機が内在している。しかし高校時代のような激流に惑溺する事無く殊に私の独特の美貌も失われた、と主観的には思える。私には何か感動を通り越したような空白感がある。しかし私は社会の価値観に迎合するような素振りを見せ、幼少の時分の反社会的反骨心というものを一切皆苦のように負担している。それが一切皆苦という修辞に尽きるのはやはりリビドーが死へと向かうとフロイトが言及していたからだ。私は社会人に変貌し、跋扈しているフリーランスの男という体面を維持したい。世の中、腐ってる、そう世の中腐敗しているというのが厳然たる事実である。世の中に活力が消失したとは言わない。しかし世間はある種倒錯的な様相を呈しているとは思う。彫心鏤骨の日々に飽き足らず、私は朝三暮四かも知れないが、時間の経過に従い行動する事を夢の為にやむを得ず継続していくのである。愚にもつかない人間だがこれからも皆さんどうぞよろしく。まあこれが象徴的な逆説である事も否めないな。悲哀だが。


 


 或いはこれからが言語的ミスリード、即ち語弊のある表現技法に依拠せずにはいられなくなるだろう。私は取るに足らない箱庭を書きたくはない。一般的な当り障りのない、非有機的な物語を書きたくはない。私の魅力を遺憾なく発揮でき、なおかつ表現者としてのカタルシスに横溢した作品だけを書きたい。




 以上が私の抱負である。享楽していただければ愉悦至極である。

 

 ここまでが語弊のあるかも知れない記事の一概要である。私はこの記事にその様態から転じ、ピンクフロイドの「狂気」からのナンバーをそのまま借用しタイトルにした。名称は「ブレインダメージ」、日本語で脳挫傷と言った所か。私は今日このように洒落込んだ。

 余談だが私は大学の卒業論文を既に完成させてある。後は創意工夫で加筆するなり図を入れるなりする発展途上だが極めて先進的な状態である。そして物理学と数学の革命的な論文もフリーランスか自費出版で本に集約して出版しようと決意している。以前までは不貞腐れて発表を見送ってきた論文である。

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