『小さなお話し』 その263………『ぼくはだれでしょう』

やましん(テンパー)

『ぼくはだれでしょう』

 『これは、フィクションであります。』



         😸



 『あらあ………おかしいなあ。』


 スマホの、指紋認証ができません。


 よく、手を洗ったり、センサー部分を掃除したり、ネットにでてることはやったけど、だめ。


 やりなおすのは、面倒くさ。


 パスワードで、まあ、いいか。


 とくに、他で使うこともなし。


 やれやれ、なんだか、疲れたなあ。


 ふにゃふにゃあ〰️〰️



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


  

ごきでか長


 『どうした、やまさん、浮かないかおして。ごきな。』



 でか長は、やまさんの同級生だが、地球ごき大学卒の超エリートだ。


 いっぽう、やまさんは、やっとこさ、地元採用の超ノンキャリである。


 いっしょに仕事するのは、これが、最初で最後だろう。


 来年度には、でか長は、どこかの署長になりで、次の年には、本庁の管理職になるだろう。


 ごき警察も、人間と変わらない、階級社会である。


 やましんが、動かないと、通報があったのは、10分前のこと。


 どうやら、人間の救急車が来た。


 ネコママが、通報したのだ。


 『やましん、へんだな。指紋が一致しない。ごき。』


 『そりゃ、やまさん、ほんとか。ごき。』


 『ああ。間違いない。人間の、救急車がくるまえにと、さっとではあったが、確認した。まあ、死にはしないだろう。ごき・ドクターが、緊急処置はした。 ごきな。


 しかしごき、ありゃあ、やましんじゃないな。記憶だけコピーされた、べつものだな。すりかえて、すぐ殺す。多少、やりかたが、ちゃちだ。ごきら。』


 

 『それは。たいへんだ。やつらの、しわざか。ごきら。』



 『ああ、ちがいない。きゃつら、人体実験を始めてるな。ごき。本物は、たぶん、宇宙船ではないかな。』



 『宇宙ごきが。ついに、正体をあらわし始めたか。』



 『ああ。どうする、この、やま、ほっとくか、ごき。やましんなら、だれも、気にしないぜ。やつら、そうした人間を、選んでるんだ。裏政府も、ぐるだろな。きみ、手をつけたら。出世に関わるぜ。』



 『いや、やましんには、世話になった。やろう。やまさん。ごき!』




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 


 ネコママ


 『いいかい、あんたたち。やましん、救出するにゃんこ。』



 エージェントにゃんこ・ワン


 『ゾンビ化されているかも、にゃん?』



 エージェントにゃんこ・ツウ


 『おそらく、ごき人間に、されてる、にゃんこ。』



 ネコママ


 『いいにゃん。連れて帰って、ドクターにゃん、に、任せるにゃんこ。頑張っておいで。イワシの丸焼きが、まってる、にゃんこ。』



 エージェントにゃんこたち


 『にゃん、にゃん、おー。』




 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 宇宙ごきの、恐るべき計画が、しちりんの上の、あぶりだしのように、ついに、あからさまに、なったのである。


 

          おしまい


 

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『小さなお話し』 その263………『ぼくはだれでしょう』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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