第13話最後の柱
大阪城 迷路の廊下
先ほど逃がしてしまった鬼を追い続けているとそこには大きな牢屋がある。
中を覗いてみると大きな物体が何やらグシャグシャと音を立てながら食べている。
その鬼が食べているものを目にした瞬間吐き気に襲われた。
鬼が食べているものは普通の人間サイズの鬼だった。
その鬼は食べ終わると同時に目線をこっちに向け、こう言い放った。
「ほう、珍しい者が来たな。お前人間だな!今日は運が良い!!なんせごちそうが目の前にいるのだからな。」
そう言い大きな手で頼綱を捕獲しようとする一瞬の隙に大きなくすり指を斬り裂いた。
しかし、斬り裂いたくすり指を見ると浅かったためかすり傷程度のものにしかならなかった。
そうしていると次のもう片方の手で捕獲しようと必死につかみかかろうとするが、それをうまく払いのけて岳偽の片方の腕にのりそのまま鬼の腕から首へ向かっていく中鬼は片腕で払おうとするが払うことができず、やっとの思いで首を斬り裂いた。
斬り裂いた首は鮮やかに空中を舞いながら頼綱にこう言い放った。
「お前では俺たち7柱はあと、6人いる。お前は最後の柱まで辿り着くことができるか?あの世から笑いながら見てやる。」
そう言い首と胴体が灰になっていった。
その鬼が散っていく中を静かに手を合わせ黙祷を捧げ、次の場所へと急いだ。
大阪城天守閣
襖の先には白い甲冑に身を包んだ男性が立っていた。
その男は立ち上がりこう言った。
「そろそろだな」
その男の兜には百鬼牽引狂(ひゃっきけんいんきょう)と書かれていた。
続く
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