第9話夢間

...夢の中...



どんだけ歩き続けても一向に夢の中から抜け出す出口らしきものが見つからない。



だいぶ走り続けてきたせいか息が上がって歩くことすらできなくなっていた。



どうすればいいかそんなことを降り積もった雪の中ひたすら考えたが一向に考えが浮かばない。


それどころか寒くて凍死しそうだ。



そう思ったとき、一つの言葉がひっかかった。



そうか...夢の中で自害するしかない。


でも、どうやってと思いながら周りを見渡すと洞窟のような大きな穴があった。



そこを覗いてみると中から獣が吠えるような音が聞こえた。少し奥にニホンオオカミがいた。静かにさろうとしたと足元の小石を思わず蹴ってしまいニホンオオカミがこっちに向かって走っているのが分かった。




急いで逃げようとしたが時すでに遅くニホンオオカミが襲いかかってきた。すでに体力を消耗していたためそのまま意識が遠のいていた。


そして夢から覚めるとそこはお寺の客の間だった。




すぐに着替えを済ませ、佳枝を起こそうとするが寝ていたため仕方なく一人で住職が寝ている部屋へ向かった。



...住職寝室...



到着するとそこには住職が数珠を左手に持ったまま鬼の方を見つめていた。


「おやおや、もうお目覚めかい?はやいね。もっと夢をみていてもよかったのにw」


「お前の目的はなんだ?」


「決まっているじゃないか。僕は君を太閤様の元へ無傷のまま連れもどさなければいけないのだから」



「あぁそうだ名乗り忘れていたね。七柱の一人 夢間よろしくね」



「今日はこれでいいや。めんどくさいからかえるね。」



と言い去って行った。





...大阪城...



「只今戻りました~。我が主よ。」




と一言挨拶を告げそのまま長い話が続いた。




「ほう。やはりか。あのお方は太平洋の底か...」



その名は誰も知らない。なぜならそのお方は彼らに倒されてもなお息をし続けている。



つづく

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