第8話心の中できっと生き続ける
...夢の中...
久しぶりに妻と二人でゆっくり何気ない会話をしながら妻が鍋をよそうって頼綱にお椀を渡す。
ただ、ぼっーとしていると妻が「今日は何だか様子がおかしいよ。」と言ってきた。
「すまん、あまりにも懐かしいと感じたから...」
妻はわけもわからなそうな顔をしていた。
「ねぇ、そういえば近ちゃんが今度大きな大根と白菜が畑になっていたらしいから取りに行くのてつだってよ!」
「あぁ、手伝うよ。」
近ちゃん...(よく畑になっていた野菜を分けてくれた若い人)その呼び方を聞いたのもいつぶりだろうか?
「なぁ○○」
「なに?頼ちゃん。」
と聞き返していた彼女を見て口をつむった。
「えっ?何。頼ちゃん」
言葉がでないでいる。もう二度と話すことすらできないっていうのに...
伝えたいことならたくさんあるでも今は伝えられない。
胸に手を当てながら家の玄関の引き戸をあけてそのまま真っ白に染まった風景の中へ飛び出した。
きっと夢でもいいそう思っていたからこんな夢が生まれた。
悔み続けた日々、失い続けた家族との時間...取り返しなど決してつかない。
はやく現実に戻らなければいけない。本当はずっとここにいたいけどでもやるべきことをなさずして亡くなったものに顔向けできない。
そのために長々と続く雪の中をひたすら裸足で走り続ける。
きっとこの先に現実世界へ戻る方法があると信じて
...現実...
静まり返った夜に一人の男が水晶玉を持った女が男に直接脳内へ話しかけた。
「どうだ?うまくいきそうか?夢間(むま)」
「はい。捕らえました。常姫(ときひめ)」
そう話しながら何かを探していた。
つづく
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