第7話 マミー、どうして日本はできたの?

 マミー、どうして日本はできたの?

 そんなこと聞いてはいけない、暗黙の了解だった。

わたしが生まれて幼少期を生きている時は、ぼーっとしていた。

自分で何をするかも決められない。

友だちがお家に遊びにきても、どんな遊びをしていいかわからなかった。

 「ママ、なんで遊んだらいい?」

 友だちを傍らに母に何度も訪ねた。母の回答はさっぱりしていない。

わたしは方法を見つけられなくて迷子になった。

そんな毎日でも居間ではテレビが光っていた。そしてインパクトある白黒の映像は教えた。

“過去に第二次世界大戦があった。”

"日本は負けたんだ。”

"日本が犯した過ちであった”

その情報を確かに骨身に伝えた。

だから知らず知らずに

"どうして日本が誕生したのか”さえネガティブな感情に押されて、申し訳なさを背負って、消して

しまった。


 もしも、母と呼ばれた女が

 「なぜドイツは戦争犯罪について責められないのに、日本だけは悪いって言われないの。」

 とぼやくことがなかったのなら。

 知ってしまったんだ。ある一定の大多数日本人と名乗る人たちがこんなに不感症で傷ついたものに対する憂慮や愛情がない、ということに。

そして生まれた、『生きるという本能と現相』という物語が。

戦争を題材にした。一部の中国人と名乗る実際は違う国籍の人かもしれない外国人は非道な詐欺をするという現実は、一部の軍中枢もしくは軍関係者が戦争を引き起こした事件に似ていると。

そして思う。暴力団の財源は非道も含まれている即ち不正行為によりお金を稼いでいると。それが暴力団の名前の定義なのに、逮捕され裁かれない現実は罪と誠実の両輪を抱える日本の真実に近いと。


 公開された『生きるという本能と現相』は自らの手でカクヨムから葬った。

それは問い合わせ担当者が突然消え他の問い合わせ先もない不正を働く有料小説サイトに盗まれた、だから。

自分のミスの後始末は自分で。

たぶん用いられる能力で。

それが、騙されてしまう能力の低さの代償。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る