エピソードTWENTYーSIX

「イトナ〜!!早くしなよー」



「そうですわ!早くしないと乗り遅れてしまいます!!!」



「まあまあ。イトナちゃんにはイトナちゃんのペースがありますから。ゆっくりで良いんですよ」



「わかってるって〜」





いつもの様に、3人と会話を交わす。Canon、マリアーナ、ジョセフ・・・皆揃っている。




今日は、帰国日だ。



あれから2週間ほどたち、私は帰国することになった。香月の事は、棗さんがマネージャーに伝えてくれたため、来月葬式を行うことも決定した。












「なんですの!?イトナさん、泣いているんですの!?」



嘘・・・涙が止まらない・・・。





「イトナ、こっち来て色々あったからね。大変だったでしょ」





私は、ただ嬉しかった。こうして見送ってくれる友達ができて、最後の別れを見てくれる人がいて。日本にいた頃は全くなかったから。







あの後、マリアーナとも仲良くなり、すぐに友達に戻った。











棗さんは・・・以前の宣言通り、声優を辞めた。が・・・、何故かアイドルになった。



「イトナちゃん・・・俺の代わりに、声優界を背負ってけよ!期待してるぞ!」




それが最後だった。棗さんは一足先に日本へ帰り、新たな事務所に入った。



















みんな変わる。たった数日経っただけで、人はこんなにも違うのだ。人間とは、ここにすばらしさがある。







「なにしてんの?飛行機行っちゃうよ?」




「あ、ヤバ!!」



私は急いで飛行機に乗り込んだ。










「日本に帰ったって、私たちは一緒!!」



「また、どこかでお会いしましょう」



「・・・共演、待ってる!!」




3人の一言一言が思い出される。












みんな・・・




あちりがとう・・・さようなら



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る