エピソードTWENTEE ー? ?
ピリピリ
部屋中にメール音が鳴り響く。
「ん?・・・何かあったのか?」
送り手はジョセフからだった。
メールの内容はこうだ。
ーお願い
イトナが危ない。下手したら誘拐されるかもしれない。私は助けようにも助けられないし、一応何かあったらと思って、あなたの電話番号教えといたから、かかってきたらすぐに向かって。あ、言っとくけど、仕事よりもこっちを優先しなさいよ?
ジョセフー
姉さんが・・・!?どういうことだろう。
下へとスクロールすると、メールの続きがあった。
ーお願い Part2
ごめん、書き忘れてた。
その誘拐しそうな相手が、学校の生徒会長。イトナを気に入ったみたいで、この間もお茶でもどうですか?とか言って近寄ってきた。危うく連れていかれそうだったから、私が1発入れたけど。もし居なかったら・・・。
ヤツは、前にも同じことやってるから前科あり。
以前のお気に入りは、ヤツの手で強制退学させられたけど、今回は違うみたい。もしかしたら・・・ってことを考えると危ないと思う。
お願い!イトナを助けて!
ジョセフー
「そういう事か・・・姉さん・・・」
僕は拳を握り、スマホをカバンに入れた。
「え!?お前どこ行くんだよ。これから撮影だぞ!?」
楽屋を出ようとしたところをメンバーに捕まってしまった。
「大事な用があるんだ」
そう言って振り切ろうとしたが、全くぶれない。
「いや、撮影以外に大事なもんはないって!急げよ。でねえと監督が・・・怖えよ」
そんな事どうでもいい。姉さんが・・・。僕はメンバーの手を振り払おうとした。
「監督に怒られんのお前だけじゃねえんだぞ!?」
メンバーに思いっきり腕を掴まれてしまい、出れない。
困ったものだ・・・。
「な?戻ろうぜ」
今にも、メンバーに連れていかれそうになっている状況で、僕はどうすべきなのだろう。もがいてでも振り払って姉さんの所へ行くか、このままメンバーと一緒に撮影に行くか・・・、もちろん、答えは1つ。
「僕が行かなかったら誰が行くんだよ!姉さんのところに行くんだよ!」
僕は手を振り払って楽屋を出た。
「は!?何言ってんだよ!戻って来いって!どうすんだよ!」
後ろで叫ぶメンバー。
「撮影はまた今度。もし僕が戻ってこなかったら、僕は脱退したってことにして監督に謝っといて。急がないといけないから、行くわ」
「じゃあな」
僕は振り返らず走った。
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