第一章 私をお食べください①
海があって陸がある。
海には船の
そんな当たり前の世界で、ただひとつ風変わりなのが、
竜は人を
だが、
そこでいにしえの人は、力ある竜たちを
神殿との
竜神を
竜神に仕える
大陸
そして、都市の
しかし、カメレア神殿で何より有名なのは、たおやめ
見習いも
だが、純白の
それがなおのことその神秘性を増し、竜神に生涯を捧ぐ乙女たちは、劇団や
そして、詩人たちが、――今度は
乙女たちの
火竜がねぐらにするのは、セゲーレ湖の
帰ってきた者は一人もいないと言われている。
――が。
「あの! 竜神さま、いらっしゃいませんか」
「竜神さま! お願いがあって参りました」
さらに声を張り上げると、頭上を
(今はお留守かしら。ここに来れば竜神さまに会えると思ったのだけど)
なお、ここまでルーを連れてきた、
しかし、この奥神殿にたどり
道とすら呼びがたい
……まあ、なかなかな目に
(あら。本当にいらっしゃらない?)
ルーは、
首を
自分の見た目が、竜神にとってどう映るのか、いちおうルーなりに予想はついている。
小さいし、がりがりに細っこいしで、まあ、平たく言えば『
要するに、さして
「ちょっと骨は多いかもしれませんが! 肉は柔らかく、
胸の下を
相変わらず、うっそうと森の木が
(どうしようかな……)
迷いつつ、ルーはさらに声を張り上げる。
「あの! 竜神さま」
ここは、カメレア都心にあって聖女たちが祈りを捧げる大神殿からは遠く
お
「私! あなたさまの
悲しくも、やはり鳥たちの声に
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