第2話

 この街の住人達の寿命は、二十歳未満とかなり短い。それもそうだろう。常に争いが絶えず、血を分けた肉親でも殺しあう世界だからな。

 知った奴も、知らない奴も、善人も、悪人も、親も、子も、昨日寝た女も、寝た男も、皆平等に死は訪れる。

 そんな感じで、街の人口も徐々に減りつつある。このままのペースで減少が続くようなら、そう遠くない未来にこの街は消滅するだろう。

 それが悪いことだとは言うなよ。生まれてくるガキは、こんなクソみたいな世界に堕ちてくるんだ。それならいっそ無くなってしまうのも救いの一つだろうよ。

 それとも、ようこそ地獄へと出迎えた方がいいのか?ウェルカムドリンク片手に。

 しばらくすると兄弟達は大きくなり、それぞれ巣だっていった。と言っても結局は何の目的もなく、本能に従って生きていくのは目に見えている。

 ただそういう奴は長生きできない。その次の日、また次の日と血を分けた兄弟達の訃報を耳にするようになったが、俺にはどうでも良かった。

 所詮この世は弱肉強食。弱いのは当人の責任なのだから、俺は哀しまない。

「兄貴……俺は……弱かったのかな……」

「……兄ちゃん…死にたくないよ」

「ああ…私は救われるのね……」

 死んでった兄妹達の分も背負ってんだ。俺はまだ死ねない。

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