第203話 新潮新人賞を目ざします。

 つ天塩、清水、大吟醸、白米。


「ん、サンキュー」


 ごぶさたしております。


「ん、くるしゅうない」


 夕べから短編を書き始めたんです。


「ん、それから?」


 ファンタジーなお話から始まってね、「本当の卒業っていうのは、支配したり、たたかったりすることじゃない!」って言って、幻獣と仲良くなる魔法学校の魔女のお話。


「それで?」


 で、そのお話は動画でね。


「ほう?」


 20XX年、昭和が過ぎて100年以上が経った現在、と始まる。


「へ?」


 ここ、2XXX年のほうがいいかなあ。


「んーどっちでも」


 人々は地底に住んでいたり、宇宙に飛び出したりしてる。


「ふん、それから?」


 主人公は、そんな世界のどこかにあるエリート学校の新任教師で、初めの挨拶に悩むの。


「どうして?」


 学校長に「この動画を【天才児童】たちに伝えるのだ」って指示されたからですね。


「へえ」


 もちろん主人公は反発します。


「どうして?」


 こんな西暦1970~1980年代の子供向けファンタジーみたいな動画のどこがエリート学校の授業にふさわしいのかと。


「残念ながら、IQ高いくせに情緒は発達していない」


 あ、そうか、背景を書かないといけませんね。


「背景?」


 その世界は宇宙と地底とで、戦いがあるんですよ。


「ほう」


 今、戦争をしている真っ最中で、子供たちにも卒業して即戦力になってもらわなくちゃいけないのに、なにをほのぼのとメルヘンチックな思想をたれながしているんだと、主人公は批判的なの。


「それでどうしたの?」


 学校長が言います「作者は発達障害の8歳の女の子だ」と。


「ほう」


 主人公は、確かに障害者がクリエイターとして持ち上げられた過去はあるけれど、それは一過性のものだし発達障害は治療法ができたでしょうと反論する。


「は? 発達障害が治療できるの?」


 ナノマシンを投与して、脳の機能を電気的に活性化するという方法で、まあその辺のディテールはぼんやりしてますが。


「へえ」


 で、学校長は一言「8歳の女の子が空想できたことが、どうして我々大人が実現できないでいるのか?」と。


「心をえぐる一言ね」


 そうでしょう? で、新任教師の主人公は、キレイなアバターがならんだ教室であいさつをしようとします。


「非常な緊張」


 そう、それは鏡のように主人公を映し出しています。


「内容はそれだけ?」


 さあ、主人公は彼らになんと言うのか? そこで主人公の出番は終わり。


「くるしゅうない、よかった」


 蛇足ですが、動画の作者は生きていて、学校長とグルになって新任教師を教育するために今回の茶番を起こし、繰り返していたと明かされます。


「へえ、攻撃的な内容じゃないの?」


 未来をになう子供たちに、夢見ることさえ許されない大人になった主人公のような人たちが、何を伝え、覚えるのかっていう主題なんです。


「へえ、おもしろそう」


 今、書いてます。


「ふうんv」


 できあがったら、読んでくださいね。


「うん、いいとも!」


 ありがとうございます!

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