第89話 スマホデビューはまだ早い
お題がスマホっていうのは少々、わたくしにはきついです。
「ああ、だったらお母さんのスマホは?」
それ、書きましたよ? 無月の兄さまにさっそく応援コメントやら星やらいただきました。
「なに?」
気が重くなるなあ、と。
「ああ、そっか。ただの思い出じゃないもんね」
忘れたい……。
「ぐっとのみこんで」
つらい……。
「よしよしヾ(・ω・`)」
ふえぇえ;;
「ようやく自分がひどい目にあったと自覚できた?」
ひどかったよ;;
「もう少しでお母さんを失うところだった」
? どういう意味?
「あいつが(業者が)お母さんをピーするところだった」
それほんと?
「はい」
お母さんを助けたのはわたくし?
「そうです。あなたのおかげでお母さんは首をくくらずにすんだ」
ふええ;;
「すべては明るみに出たし、もうこれ以上業者に……最初から気にくわなかったんでしょ? 悩まされずにすむわ」
でも、母ったらまた最近になって格安会員サービスっていうのにつられて得体のしれない業者とつながってるらしいんです。
「それは大丈夫。あそこはだいじょうぶよ。ただ……ブラックかもね。いろいろ聞いてみれば」
夜の9時ごろまで仕事で飛び回ってるっていうんですよ、その業者はね、ついでもついででうちに寄るっていうからさすがの母も断って。
「それからそれから? 上層部に金回りがいいのか聞いてみて」
ええ? そんなことを聞くんですか?
「あとから、本音を聞き出しておけば役にたつから」
母が嫌がるんですよ。
「またなにか悩んでるの?」
母はサービスに弱くって、業者の機嫌を損ねたらサービスしてもらえないって思ってるみたいだ。
「ようするに、金が回んないの?」
それはわかりませんけれど、業者って普通家に訪問してきて仕事をとるものなのですか?
「ふざけんな。それくらいはするよ」
なんだー。
「季節外れの仕事なのに、いつまでもいつまでも、しょっちゅうくるの?」
一か月に一、二回きて見積もっていくみたいですよ。
「あらあら、採算つくのかしら」
わかりません。
「ひどいものね。いくつ豆に見てくれてるのよ」
いえ、注文を聞いて、後々見積もりにくる方針みたいです。
「お腹痛いよ」
どうしました?
「ねえ、それよりおなかがすいた」
何か作りましょう。
「レバニラ炒め」
レバーもニラもないから、ラーメンにちーかまってとこでしょうか。
「あうー;;」
おなかいっぱい食べられたらマシなんです。
「そうなのかー」
つ(大吟醸)
つ(レバニラ炒め)
「わあい! ありがと」
^v^ノシ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます