第3話伯父さん?

家に帰って数日後。

実家から電話がかかってきた。伯父さんの様子が変なんだってさ。ちょっと前に会ったばかりだし、その時はいつもと変わりなかった伯父さん。でも、俺たちと丁度入れ替わりで実家に戻った伯父さんの息子が変化に気付いて電話をかけてきたんだ。

俺とそいつは同い年で親しかった。


聞くと、今までの数倍以上の水分をとっているらしい。

まあ、まだまだ暑いしな。

聞くと、でも痩せていってるらしい。それもガリガリに。

病気か?食欲はあるのか?

聞くと、魚とキュウリをよく食べているらしい。

なぜにキュウリ?


それは確かにおかしい。

それと、そいつは見てしまったと。


父さんの部屋にあるはずのないものが…

はぁ?あるはずのないもの?

でっかい甲羅があった。

甲羅?………あ!!


俺は思い出した。川にいたカメ?を。


なんか知ってるか?

あのさ、それって尋常じゃないくらいどでかいやつだよな?

うん。

俺、親父たちと川に釣りに行ったんだ。その時いたやつかも。

でもさー、カメ、関係ないよな。

ないよなー。


そんな感じで原因は分からなかった。

分かったのは伯父さんがかわいていること。

まあ、暑いしな。

伯父さんは常に喉が渇いているし、物理的にも乾いていた。

まあ、暑いしな。


それでしばらく放置してたんだ。カメ?のことも。

伯父さんも病院には行ったらしいけど原因不明。

どうしようもなくて日に日に伯父さんは乾いていく。

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